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嬉々として「サービス残業」する部活顧問の深刻 「やりがい搾取」だけじゃない部活顧問の問題点

東洋経済オンライン / 2024年7月28日 13時30分

こうなれば、もはや仕事でも職業でもない。「趣味」あるいは「道楽」と言うのがふさわしいのではないか。

新型コロナ禍で、部活の在り方はかなり変わったと思う。生徒と顧問が「リモート」でミーティングするなど、新しいコミュニケーションも生まれている。「やりがい搾取」も多少緩和されたのではないか、という声も聞こえる。

しかし、日本の部活の「やりがい搾取」は、あまりにも長く放置されていたために、一朝一夕で改善できるとは思えない。

「熱中部活」の顧問の中には、「やりがい搾取」という言葉に反発する人もいる。あるスポーツ部活の顧問はこう語る。

「日本のスポーツが、健全で優秀なアスリートをたくさん生み出すことができたのは、高校部活が、選手を基礎からしっかり指導してきたからだ。先生方が、文字通り心血を注いで、一生懸命指導してきたからだ。それを今になって『やりがい搾取』とか言って、余計なことをしていたように言うのはおかしいんじゃないか?

今、中学で部活の外部委託が進んでいる。高校の部活も変わるだろうが、外部委託の顧問は、我々みたいに熱心に指導しないだろうし、ビジネスライクだろうから、選手や親から『こんなはずじゃない』みたいな声が上がるんじゃないか?」

もっともな意見ではある。

変革が求められる部活

大事なことは、そうした部活顧問の「熱意」を、今後、改革が進む中学、高校の部活に取り入れることだろう。今の「部活指導」は、個人の熱意に依存することが多いが、これをノウハウとして共有する取り組みが必要だ。

そして顧問の先生から一方的に部活を取り上げるのではなく役割分担をすべきだろう。さらに言えば、そうした先生の熱意を「経済的な対価」に置き換えることも必要だ。

「部活」は日本独自の「教育文化」だった。その知恵を活かしつつ、変革していくことが求められているのだ。

学校だけでなく有識者や外部の知恵も借りて。これまでの部活の「ええとこどり」をしていく必要があるだろう。

広尾 晃:ライター

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