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生成AIへの取り組みでアップルの歯切れが悪い訳 協業するオープンAIとの間にも微妙な距離感

東洋経済オンライン / 2024年7月30日 17時0分

アップルの開発者会議であるWWDCは、2024年は6月10~14日に開催されました。

次期OSへの取り組みは、映画のようなつくりの映像を使って発表され、スティーブ・ジョブズ氏が存命だった頃は発表イベントでライブ感を重視していたものが、映像を鑑賞するというスタイルに切り替わっています。

iPhoneからApple Watchまで、さまざまなOSの取り組みが発表され、Vision Proの日本発売も発表されましたが、中でも注目だったのが、AIへの取り組みです。

Apple Intelligenceという独自に名付けたAIへの取り組みが発表されましたが、他の競合でもできることが多く、アップルは独自では生成AIへの取り組みが難しいのではないか、という感想が出てきます。

これまでのチップも活用して、デバイス上でAIの機能を実現することは素晴らしいのですが、アンドロイド端末と比べての反応速度は十分なのかという疑問や、現在の半導体はこの進化する時代に十分に使えるのかという疑問は残ります。

オープンAIのGPT-4oが年内にOSレベルで組み込まれることも発表されましたが、オープンAIをリードするアルトマン氏が会場に来場するも登壇はせず、距離感を感じさせました。

このアップルとオープンAIとの協業が発表された後、もともとオープンAIの創業メンバーであったテスラCEOのイーロン・マスク氏は、「セキュリティ上の理由で社内でのiPhoneの使用を禁止する」「渡してしまったデータをオープンAIがどう扱うか、アップルはわかっていない」という激しいコメントを出し、対立の様子をうかがわせます。

同時に、マスク氏はオープンAIへの「創業理念からの逸脱」についての2024年2月からの訴訟を取り下げており、アルトマン氏とマスク氏の確執は違う段階へ変化しています。

格段の進歩を見せたオープンAIの「GPT-4o」

Google I/Oが開催された前日に、当てつけるように、オープンAIが新モデル「GPT-4o」を発表しました。こちらは、リアルタイムのデモをライブ配信で発表していました。

GPT-4oの最大の特徴は、音声の反応スピードの速さです。まるで人間同士で会話をしているかのような自然でなめらかな会話が続き、さらに、英語とイタリア語の同時通訳をする様子も披露されて、大いに話題になりました。

従来のタイムラグがなくなったことに加えて、会話の途中で相手(人間)が話し始めたらAIは自分の話をいったんストップする、といったような、いかにも人間らしい対応も見られました。

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