実は日本が世界3位「アルピーヌ」したたかな策 小規模ブランドがF1やル・マンに参戦するワケ
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 10時0分
インテリアも、センターマーキング(ハンドルをまわした角度や中立位置がわかるように頂点につける目印)を入れたハンドルをはじめ、見るからにスポーティな雰囲気。シフトセレクターが「D」「N」「R」のボタン式となっているのも、A110と通じるアルピーヌらしいポイントだ。
実際にインテリアを見てみると、単にスポーティなだけでなく、質感が高いことも印象的だった。
ルノー・スポールとアルピーヌの違いはどこに?
日本導入に関しては「検討中」だというが、ぜひ発売されることを強く期待したい。現地でのデリバリー開始が2024年末、右ハンドルの生産開始が2025年半ばと考えると、日本の道を走るのは、早くても2025年後半以降だろうか。
ただ、価格は現地で3万8000ユーロからとのことだから、日本では700万円を超えてしまうかもしれない。EVであることも考慮しなければならないが、A290と同じセグメントにあった以前のルーテシアR.S.が約300万円から購入できたときとは、気軽さが違う。ここだけは、少し残念なところだ。
「ルノー・スポール時代は、マニアック過ぎた。サーキットを楽しむ人にはとても喜んでもらえたが、ストイック過ぎると感じていた人も少なくないだろう。一方、アルピーヌはもっと気軽にスポーティな走りを楽しんでもらえるブランドとしたい」
フィリップ・クリーフCEOはこれからのブランド作りについて、そう説明する。
補足をすると、A110のようなピュアなモデルはさらに走りが磨きこまれる一方で、4シーターやクロスオーバーモデルに関しては、スポーティな仕立てとするものの、日常での乗り心地などを含めたトータル性能を重視していくと思われる。
そして、そのニューモデル計画も、かなり具体的に示されている。
A290のあとに控えているのはクロスオーバーGTモデルで、次は次世代のA110と続く。A110をベースとしたロードスターモデルや、4シータースポーツクーペも登場する予定だ。
さらにDセグメントやEセグメントのモデルも登場し、これまで販売されていなかった北米市場にも進出する計画だという。北米で知名度を上げるなら、現地でも大人気のF1は効果的なツールになるというわけだ。
新たなEVスポーツブランドへ
こうした新車計画からわかるのは、アルピーヌがメルセデス・ベンツの「AMG」やBMWの「M」のような、プレミアムな高性能車ブランドを目指しているということ。それには、世界の頂点で名前を売る必要がある。だから、F1でありWECなのだ。
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