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15年間「果物だけ」を食べ続けてわかったこと 医師の「フルーツの食べ過ぎに注意」に異議あり

東洋経済オンライン / 2024年7月31日 11時0分

日本人は平均で、ジャムや果汁などの加工品を含めても、1日に100gもフルーツを食べていません。統計的には8割以上の日本人が「フルーツの食べなさすぎである」と言えます(写真:freeangle/PIXTA)

私は33歳のとき、フルーツの体への影響を調べるために、できれば一生涯をかけて、フルーツ食実験をしようと決意しました。

【写真】フルーツ中心に99%果実だけの食生活を15年間続けている中野瑞樹さん

ただし、フルーツ以外にもあれやこれや食べると、それがフルーツの効果か否かがよくわからなくなります。そこで、フルーツ中心に99%果実だけの食生活(フルーツ以外の果実には、果菜類や木の実も含む)を15年間続けています。

フルーツの食べすぎに関するポイント

日本ではしばしば、医師や栄養士がメディアやSNSなどで「フルーツの食べすぎに注意しましょう」と発言します。では「いったい、何グラムくらいから、フルーツの食べすぎになる」のでしょうか? まず「食べすぎ」について語るには、少なくとも、①対象が健常者なのか、あるいは糖尿病などの特定の疾患のある人なのか、②食事1回での摂取量のことなのか、あるいは1日の総摂取量のことなのかを言及する必要があります。

アメリカ糖尿病協会は、糖尿病患者の1回の食事の推奨摂取量をカロリーではなく、一皿での見た目の割合で示しています。野菜(マメ・イモ・トウモロコシを除く)は2分の1、肉や魚などのタンパク質系食品は4分の1、イモやフルーツなどの炭水化物を含む食品は4分の1という具合です。

日本糖尿病学会は、ビタミンやミネラル補給に役立つため、糖尿病患者であっても毎日フルーツを食べることを勧めていますが、1日80キロカロリーの目安量が設定されています。

80キロカロリーと言うと、イチゴなら1パック、Sサイズの温州ミカンなら3個、普通サイズの、リンゴなら半分、モモなら1個、バナナなら1本弱に相当します。

ただし、ドライフルーツやフルーツ缶詰、フルーツ飲料(天然果汁含む)などの加工食品は、生フルーツに比べてビタミンCや食物繊維が少ない、糖質が多いなどの理由から嗜好食品として扱われます。そのため糖尿病患者には、できるだけ生フルーツを摂ることが推奨されています。

よって日本糖尿病学会のガイドラインに従うなら、1日に80キロカロリーを大きく超えると、糖尿病患者についてはフルーツの食べすぎと言えます。そもそも糖尿病患者が一度にこれだけの量を食べれば、食後高血糖、特に血糖値スパイク(食後の急激な血糖値上昇)を起こすおそれがあります。糖の代謝能力は個人差が大きいので、可能であれば、血糖値測定器を用いて、それぞれの食品の食後血糖値を計測しておくのがオススメです。

1日のフルーツ推奨量

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