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超上昇志向の彼女が「履歴書の空白」決断した真意 あえてキャリアブレイクをとった「3つの理由」

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

そして、偶然の出来事もありました。「辞めよう」と決めたはいいものの、なかなか会社に言い出せずにいたのですが、緊急会議でチームの組織改革が発表されたのです。

さらに、そのミーティングの5分後に 妊娠検査薬で検査をしたら、3人目の妊娠がわかりました。その時は、「神様はなんてシナリオを準備してくれてるんだろう」と思いましたね(笑)。

人生で初めて、焦りがなくなった

ーーキャリアブレイクの期間は、どのように過ごしていたのですか?

吉田:子どものための生活にシフトしました。今までできなかったこと、例えば子どもと工作をしたり、カップケーキを作ったり、ママ友を作ったり。いわゆる“フルタイムママ”ですね。

一番情熱を注いだのはPTAの活動かもしれません。「やってほしい」と声をかけられ、PTA会長をやることになったのですが、すごく忙しくて。「仕事を辞めたのに、なんで深夜にメールチェックをしてるんだろう?」と思いましたね(笑)。

ーーなにか印象に残っているエピソードはありますか?

吉田:キャリアブレイクをとって一番「幸せだな」と感じた瞬間は、子どもの送迎をしていたときです。

それまでは、仕事と家の間の通過点でしかなかったので、「早く!早く!」と子どもを大声で常に急かしていました。キャリアブレイクをとってからは、徒歩3分ぐらいの距離を15分、20分くらいかけて歩く余裕がある。すると、子どもと話しながらゆっくり歩いているときに、「この選択をしてよかったな」という気持ちが湧いてきたんです。

そういった、仕事をがむしゃらにしていたときには味わえなかったちょっとした日常が、すごく楽しくて。 「スーパーウーマンにならなくても、人生楽しいじゃないか!」と気付くことができました。

ーー一方で、その間にも周りの人はキャリアを重ねていくことに、焦りは感じなかったでしょうか?

吉田:ないですね。特に若い頃は、自分と他人を比較することもありましたが、キャリアブレイクをとってみたら人生で初めて焦りがなくなりました。今では「隣の芝生をみるのではなく、自分の芝だけを青くすればいい」と思うことができています。

それは、それまでに仕事をがむしゃらにやり切ったからこそ、「自分が手を挙げれば、 仕事はいただけるはずだ」という自信が持てていることも影響しているのかもしれません。

ーーでは、キャリアブレイク中にリスキリングは……

吉田:なにもしていないです! 強いていうなら、料理の腕を磨いたぐらいでしょうか(笑)。一つ言えるのは、さまざまなバックグラウンドを持つ人をマネジメントするPTAでの経験もビジネスに繋がりましたし、「スキルが足りない」と焦る前に、まずは目の前の仕事を一生懸命こなす。それが後々立派なスキルや知識の習得に繋がると思います。

キャリアブレイクは「一番選択してよかった不確実な選択肢」

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