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超上昇志向の彼女が「履歴書の空白」決断した真意 あえてキャリアブレイクをとった「3つの理由」

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

ただ、最初は「子どもが幼稚園に入るタイミングで、仕事を辞めたくなるかもしれない」という話をしたら、夫は「好きな仕事なんだから頑張りなよ」と、あまりピンときていないようでした。でも、長男が3歳になる頃が転機でしたね。夫は仕事に、私は家庭に時間を割きたくなりました。パートナーと時間をかけて話し合ったのはすごくよかったですね。お互いに少しずつ、生活を変える覚悟をすることができました。

ーーキャリアブレイクを、個人だけではなく家族の転機としてとらえ、パートナーと一緒に考えてきたのですね。

吉田:そうですね。話し合いの結果、浪費家の私の収入が途絶えることも心配だし(笑)、私も人生で初めてキャリアの目標がなくなる心配があったので、「とりあえず1年間」と期間を区切りました。ひとまず夫が一家の大黒柱をやり、1年経ったらまたお互いのキャリアのことを考えよう、ということになりました。

ーーその後、キャリアブレイク期間はどのように終えたのでしょうか。

吉田:キャリブレイク中の生活に満足していたのですが、そろそろ働き始めたいな、というタイミングで、「J-WAVEのパーソナリティーをやりませんか?」と声をかけていただいたんです。これまでの経験が活かせるお仕事だなと思ったので、やらせていただくことにしました。結局、キャリアブレイクは1年7カ月くらい。その時声がかからなかったら、もっと続けていたと思います。

ーー今はどんな生活を?

吉田:すごくバランスがいい生活ができてます。さらにキャリアブレイクをとったことで、プロフェッショナルとしての視野が広がりました。それまで築き上げた記者としてのものの見方に加えて、主婦時代に気づいた視点が加わりました。それは「ニュースは自分ごとでないと興味を持てない」ということ。リスナーの皆様がなるべく「自分ごと」として社会情勢に興味を持てるようにニュースの解説をしています。

ーーもともと計画から逆算していくというキャリアの歩み方をしてきた吉田さんですが、キャリアブレイクにしても現在の働き方にしても、予想外のことがたくさんあったのですね。

吉田:以前は常に計画から逆算してきていましたが、コロナを経て、「未来はなにが起きるかわからない」と痛感しました。今では、「思った通りにならなくても、一生懸命頑張っていれば、何か楽しいご褒美があるだろう」と思えるようになりましたね。

取材を終えて

「計画された偶発性理論」という考え方がある。ジョン・D・クランボルツ教授が提唱したキャリア理論で、「個人のキャリアの8割は偶然の積み重ねによって作られており、個人は能動的に行動をすることでその偶然を引き起こしやすくなる」というものだ。

吉田さんのキャリアブレイクは、綿密に計画されたキャリアから、計画はしつつも偶然も取り入れるキャリアへとシフトする機会だったのかもしれない。キャリアブレイクは、自分が想像していなかったよりよい人生と出会う機会にもなりうるのだ。

病気、育児、介護、学業など、さまざまな理由で、働くことができない時期があった方を募集しています。取材にご協力いただけます方、ご応募はこちらよりお願いいたします。

山中 散歩:生き方編集者

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