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特別支援学級の先生語る「子と親の対応」の苦悩 プライベートでも発達障がいの子供と向き合う

東洋経済オンライン / 2024年8月1日 10時0分

私生活でも、学校でも障がいを持つ子供と関わる先生に話を聞きました(写真:Graphs / PIXTA)

「教育困難」を考える本連載。今回お話を伺ったのは、兵庫県の公立小学校で20年以上勤務し、現在特別支援学級で担任を務める山田先生(仮名)です。山田先生の3男には発達障がいがあり、現在特別支援学校に通っています。これまで本連載では偏差値40以下の高校に通う子どもや先生たちの実情を取り上げてきましたが、今回は特別編として、私生活でも発達障がいがある子どもと関わる山田先生に、特別支援学級の教育事情について伺いました。

今回お話を伺ったのは、兵庫県の公立小学校で勤務する山田先生(仮名)です。

山田先生は現在40代で、自閉症・情緒障がい特別支援学級の担任をしています。実は山田先生の3男も発達障がいがあり、小学校時代は特別支援学級、中学に上がってからは特別支援学校に通っています。

学校・家庭での自身の経験から、発達障がいの子どもたちを取り巻く教育環境について話を伺いました。

特別支援学級に進むことにためらいはなかった

山田先生は現在、3人の子どもを育てています。全員男の子で、それぞれ大学生・高校生・中学生。兄弟のうち3男はASD(自閉スペクトラム症)を発症しています。3男の進路に関しては、公立小学校の特別支援学級に通うという一択だったそうですが、山田先生はその決断にためらいはありませんでした。

「実際に教育現場で特別支援学級を担当する先生方や、そこで過ごす生徒たちを見てきたので、特別支援学級に入れること自体にはまったく抵抗はありませんでした」

山田先生は、3男が公立中学校の通常学級の授業についていくのは難しいと判断し、小学校卒業後には中等部・高等部がある特別支援学校に通わせています。

特別支援学級と特別支援学校はよく似た言葉ですが、仕組みは異なります。

通常の学校にあるのが、特別支援学級です。基本的には学年のカリキュラムに応じて、健常者の生徒たちと同じクラスで授業を受けていますが、苦手な分野は『たんぽぽ学級』で個別指導をします。例えば、小学校4年生の子でも能力的には2年生だから、カタカナ文字や、掛け算など、その子にあった2年生の教材を勉強してもらいます。

特別支援学級の担任になった経緯

一方で、特別支援学校では、卒業後に自立して働けるようになることを目指しているため、国語・英語・社会といった一般的なカリキュラムがすべてあるわけではありません。

クリーニング屋に就職するために服を畳む、といったお店での就労や、自立できるようなコミュニケーションスキル・お金の使い方・体の使い方など、社会に出てから役立てられることに重きを置いたカリキュラムをこなします。

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