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「ハリス大統領誕生」にはまだ多くの関門がある 大統領選まで100日弱、息を吹き返した民主党

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 9時30分

いや、それは単純にマズいでしょ。日本でも昔、エッセイストの酒井順子さんが『負け組の遠吠え』という本の中で、「子どもがいない女は負け組」だと刺激的に定義して、2004年流行語大賞のトップ10入りを果たしたことがある。でも、同じことを男性の政治家が口にしたら、敵を作るに決まっているでしょうが。しかも現在の共和党は、「郊外に住む女性層」の票をいかに獲得するかが課題になっているというのに。

世代間ギャップの問題もある。ヴァンス氏は8月2日に誕生日を迎えて、「不惑」の40歳になったばかり。正副大統領の候補者に初めてなったミレニアル世代だ。昭和の戦後世代じゃないんだから、「お前、いまどきこんなこと言うか?」というのが当地でよく聞く評価である。もちろん女性、そして猫を愛する人たちの顰蹙を買ったことは言うまでもない。

ヴァンス氏の指名は、銃撃事件の直後にトランプさんが天啓のように決めた人事だが、テッパンのトランプ支持層には受けがいいけれども、これから無党派層への浸透を目指すことを考えると、共和党にとって「資産ではなく負債」ではないか、などと言われ始めた。とはいえ、党大会で決めちゃった人事を今さら替えられるものではないし、もっと言えばあのトランプさんが、自分の間違いを認めたりするはずがないのである。

いや、それより問題はハリス氏に勝ち目があるのかということだ。例によってRCP(リアル・クリア・ポリティクス)のデータを確認すると、8月1日の本稿執筆時点で「トランプ対ハリスの支持率」 は48.2%対46.2%とその差はわずかに2ポイントとなっている(最新の状況はHP参照)。

「ベッティング・オッズ」 で見ても、トランプ勝率52.0%に対してハリス勝率は42.0%(同時点)といい線まで迫っている(最新の状況はHP参照)。これも激戦州における「トランプ対ハリス」の世論調査もじょじょに公開されつつあるが、これまた「横一線」と見ていいようだ。

大化け期待の一方、マネジメント能力「?」のハリス氏

これまでバイデン政権の副大統領としての彼女は、決して目立つ存在ではなかった。たまに話題になるときは、「またも補佐官が辞めた」といったマネジメント能力への疑問を感じさせるニュースばかり。南部国境問題の取り締まりを任されたものの、不法移民は一向に減らなかったし、初の外遊でグアテマラを訪問した際には、現地の人々に向かって「アメリカ国境に来ないで」と言ったことが内外で顰蹙を買った。

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