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「ハリス大統領誕生」にはまだ多くの関門がある 大統領選まで100日弱、息を吹き返した民主党

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 9時30分

とはいえ、ここは「奇手」が不要な局面であり、激戦州選出の白人男性が「ランニングメイト」になるものと見られている。ペンシルバニア州のジョシュ・シャピロ知事(51)、アリゾナ州のマーク・ケリー上院議員(60)、ケンタッキー州のアンディー・ベシア知事(46)、そしてピート・ブティジェッジ運輸長官(42)などの名前が浮かんでいる。

正副大統領コンビがそろったら、直ちに全国遊説に出ることになるだろう。指名を受けてから1週間後にはパリ五輪が終わり、2週間後には民主党大会が始まる。8月22日の「大統領候補受諾演説」が、ハリス氏にとって次なる関門、あるいは見せ場ということになる。

さらに3番目の関門は、9月10日に予定されている2度目のテレビ討論会ということになるだろう。ここは「有罪判決を受けた犯罪者」トランプ対「元検察官」ハリスという図式を作りたいところ。しかしトランプ氏も根っからの「テレビ人間」で、アドリブ力では定評がある。文字通り選挙戦を左右するディベートとなるだろう。

最後に、気を付けなければならないのが「オクトーバー・サプライズ」だ。ロシアや中国による選挙への介入も予想されるところだし、中東情勢の激変が話題をさらうことだってあるだろう。7月13日のトランプ氏銃撃事件に関し、「新たな新事実が判明」みたいなケースも考えられる。最後まで気が抜けない戦いとなるだろう。

最後に勝つのはどちらか

さて、最後はどっちが勝つのか。前回もふれたように、直近6回分の大統領選挙の結果を振り返ってみれば、もっとも大差となった2008年選挙でさえ、バラク・オバマ氏とジョン・マッケイン氏は一般投票数ではわずか7ポイント差であった。トランプ対ハリスの決戦も、それ以下の接戦になると考えるのが自然であろう。21世紀になってからの大統領選挙には、「大差で有権者の信任を得た」ということがないのである。

こちらでは、AEIというシンクタンクによる選挙ウォッチのシンポジウムに出る機会があった。そこで飛び出した以下のような発言が、筆者には強く印象に残っている。

“This has been the wildest month in presidential politics. Everything changed and nothing changed.”

「今月は大統領政治におけるもっとも荒れた月だった。すべてが変わったのに、何も変わらなかった」(本編はここで終了です。この後は競馬好きの筆者が週末のレースを予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)

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