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「ハリス大統領誕生」にはまだ多くの関門がある 大統領選まで100日弱、息を吹き返した民主党

東洋経済オンライン / 2024年8月3日 9時30分

真面目な話、副大統領は難しいポストなのである。あんまり無能では困るが、かといってバリバリ仕事をして大統領よりも目立つのもマズい。その辺の事情は、オバマ政権下で2期8年も副大統領を務めたバイデン氏自身がよく知っている。要はこれまでの3年半、ハリス副大統領をあまり目立たせず、傷もつけないように配慮してきた。結果として多くの国民が、彼女のことをよく知らずにここまで来たのである。

そんなハリス氏が、今や「大化け」しつつある。特にこれまで政治に対する関心が薄かった若年層とマイノリティ有権者が熱をあげている。彼女自身も吹っ切れたように、トランプ氏への対決姿勢を打ち出し、歯切れのいい演説を行っている。話の途中で急に大声で笑い出すという癖までもが、妙な高評価になっている。いや、そもそも本来のアメリカ大統領選挙とは、こんな風に候補者を鍛えて化けさせるシステムだったのではなかったか。

とはいえ、彼女はカリフォルニア州の検察長官から、2016年に上院議員に転じたというキャリアであり、政治家としては遅咲きの部類に属する。マネジメント能力にも疑問符が付く。経済や外交などの政策構想もほとんど未知数だ。今はハネムーン期間中でも、この後は共和党による攻撃も厳しくなるし、メディアやネットによる粗探しも始まるだろう。トランプ氏に勝って女性初の大統領になる、というハードルは容易ならざるものがあるはずだ。

まずは今後の大統領選挙をめぐっての政治日程を確認してみよう。

<今後の政治日程>

8月2日   民主党がオンラインで指名投票を実施→ハリス候補を正式承認
8月初旬     ハリス氏が副大統領候補を指名
8月12日    パリ五輪閉会式
8月19~22日 民主党全国大会(イリノイ州シカゴ)
9月2日     レイバーデイ→いよいよ大統領選挙の終盤戦
9月10日    第2回大統領候補者討論会(ABCで実施?)
9月中      NY地裁がトランプ氏「口止め料事件」に関する量刑の申し渡し
10月      オクトーバー・サプライズ?
11月5日   大統領選挙・連邦議会選挙投票日

副大統領候補指名を含め複数の関門を乗り越えられるか

現在は民主党内で代議員の指名投票を実施中。近々、ハリス氏が正式に承認されるだろう(編集部注:2日に正式に承認)。そのうえで、副大統領候補を指名することになる。指導者たるもの、人事は鋭いところを見せてほしいもので、ここが第1の関門となりそうだ。

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