1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「子持ち様への冷笑」かつて経験した私が思うこと 男性の育休取得率が3割到達の陰で生じる歪みの正体

東洋経済オンライン / 2024年8月6日 11時0分

最近、「子持ち様」という言葉をよく耳にするようになりました。子どもを持つ親が育休をはじめ、時短勤務やフレックス、在宅勤務などでそもそも優遇されていることを揶揄するだけでなく、子どもの発熱などで退社した後、仕事を急に振られることを不公平に感じ、不満に思う人たちが捉えた表現です。個人的には、何とも複雑な思いにさせられる言葉です。

「子持ち」「子無し」がそれぞれの側に立って、相手を攻撃するような社会は健全とは言えません。「会社で、あんな言われ方をするぐらいなら、子どもは欲しくない」という思いに駆られる人も出てくるでしょう。それでは少子化に拍車がかかりかねません。子どもを持ちながら働くという人たちが、特権階級的で特別な人たちと受け止められるようでは、お互いが生きづらくなること必至です。

確かに、病気や介護など誰にでも起こり得る事象と異なって、人それぞれに様々な事情や背景を抱える中、子育ては誰しもが経験できることではありません。そのため、ひょっとすれば、嫉妬に近い感情が渦巻いているのかもしれません。

働き盛りの「子持ち」「子無し」の当事者ばかりに任せるのでなく、当事者ではない人たちが、真摯に取り組む姿勢が必要です。分断が本格化する前に、企業や組織・団体は、双方がお互いを尊重しながら、公平さを担保するための働き方の構築に向け、早急に手を打つことが求められるのではないでしょうか。

小西 一禎:ジャーナリスト

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください