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事故物件の「オバケ調査」は業界の救世主になるか 一晩泊まり込んで部屋に異常がないかを調査

東洋経済オンライン / 2024年8月9日 11時0分

イギリスでは「幽霊が出る」と伝わるお城が多く、証言された怪現象を科学的に解明しようという調査が行われている。児玉さんはそうした調査の情報を集め、それを基にしたうえで、これまで聞いた異常現象(湿度が高く気持ちが悪い、冷ややかな風を感じる、異常な音がする、人影が見えるなど)を物理的にどう調べたらよいかを物理の大学教授に相談。そのうえで、これら8項目の調査をすることにしたという。

そして、調査して異常がなければ、証明書を発行する。

では、これだけの調査をすると、費用はいくらになるのだろう?

児玉さんによると、日本ではだれもやったことがないサービスで、知名度もないので、いくらなら出せるかを考えて、調査費用を5万円(消費税別)に設定した。

これだけ時間と手間をかけるので、「5万円ではあまり儲けが出ないのではないか」と聞くと、今はスタートアップ価格の設定なので、2024年10月から費用改訂をする予定だという。

オバケを逆手に、ユニークなビジネスモデル

オバケ調査や調査報告書の作成だけでは、なかなか利益が出ないのではないかと疑問に思ったが、カチモードではかなりユニークなビジネスモデルを採っている。

カチモードでは、事故物件に関する幅広いサービスを提供しているほか、運用に関するサービスも用意している。オバケ調査の5万円+消費税で終了する場合もあるが、懸賞金付きの部屋として運用するコンサルタントの契約をすることもできる。

これは、異常がないと判定した家で、住んだ人が不思議な現象を経験した場合、10万~100万円(異常の内容や回数、記録の提供の有無などにより異なる)の懸賞金を出すもの。オバケのマイナスのイメージを、懸賞金によってプラスに変える戦略だ。

なお、カチモードとしてこれまで調査をした35調査のうち、異常が見られたのは5件(近隣に要因があったものを除く)。再調査に進む場合もあるが、これで終わる場合もある。

カチモードで部屋を借り上げるメニューも用意しており、「泊まってみたい」「部屋をのぞいてみたい」といったニーズもあるので、活用方法はいろいろ考えられるというが、こちらの利用はあまりないという。

オバケより怖いもの!? 神主がお祓い拒否!?

児玉さんに、オバケ調査に関するエピソードをいくつか聞いてみた。

雨の日にオバケ調査に出向いたところ、サーモグラフィで天井の特定箇所に冷気が見られた。そこを詳しく調べたら漏水のようだったので、翌朝詳しく調べたところ、排水口が詰まっていたことがわかった、という事例があったという。

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