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人生のやり直しにかかる時間「平均5年」は短い? 225人の「人生の岐路」を調べてわかったこと

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 15時0分

しかし回答人数が最も多く、さらに数値も平均的だったのは「4年から5年」だった。

これらのデータは、多少正確さに欠けると言わざるを得ない。私がインタビューした人のなかには、最初に生じた混乱から5年経過していない者もいたし、「いまだ継続中」と答えた人のなかには、「人生そのものがひとつの長い変遷である」と信じているが故にそう答えた人もいれば、その一方で現実に終わりを迎えていないからそう答えた人もいた。

とはいえ、こうしたやりとりから伝えられる、より大きなメッセージまで否定はできないだろう。

移行の継続期間は、およそ5年なのだ。

私が最初に得た印象は、いや、この数値はちょっと大変だ! だった。愛する人が人生の大きな変化に遭遇したばかりのときに、「心配しなくても大丈夫、5年のうちにはすべて片が付くよ」などとは、なかなか言えるものではない。ところがあれこれと考えを巡らすうち、これらの数値の裏に、別のメッセージが見え隠れし始めたのである。

第一に、人生の移行に関する議論が十分に行われていないため、私たちの多くがその意味するところを理解しておらず、従って十分な備えができていない。

誰の目にも明らかなのは、私が話を聞いた数百人のうちの4分の3の人が、人生の移行に4年、あるいはそれ以上の時間がかかったと述べた事実である。彼らの多くが、自分たちだけが異常に時間がかかったのではないかと思い込み、申し訳なさそうにその数値を口にした。逆もまた然りだった。

そして彼らは、同じ回答をした人たちがたくさんいることを知ると、ほっとした様子を示した。

だが私が問題と捉えたのは、実際に移行に要した時間ではなく、彼らがどれくらいの時間を予想していたのかである。人々の物の見方や見込み値を調整する責任は、私たちの側にある。

第2に、私たちは人生の大部分を人生の移行に費やしているという事実である。成人期を迎えると、その後3回から5回のライフクェイクを経験し、それぞれがおよそ4年、5年、6年、場合によってそれ以上続くと考えれば、私たちは30年以上を変化のなかですごさねばならない計算になる。

これは人生のおよそ半分にも相当する期間だ!

人生の移行期を最大限に活用する必要があると主張してきた私にとって、これはその大きな理由のひとつになり得るだろう。

人生を無駄に費やさないために

もしもこれを、憤慨したり抵抗したりする期間として捉えると、自分が思うよりはるかに長い年月を無駄に費やしてしまう。人生の価値を見失わず、持てる時間をできる限りうまく受け入れていきたいものだ。

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