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人生のやり直しにかかる時間「平均5年」は短い? 225人の「人生の岐路」を調べてわかったこと

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 15時0分

そしてこれが最後の教訓につながる。

かつて詩人のロバート・グレイヴズは、第一次大戦の塹壕での生活を、「騒音が止むことは決してなかった――ほんの一瞬たりとも」と表現している。これこそひとりの人間が、人生の途上で巨大な個人的変化を経験する際の感覚である。

人生は騒がしく、不協和音に満ち、複雑で、混乱し、そしてそれらが止むことなく繰り返されるのだ。

移行はこの喧噪を静めてくれる。それは騒音を音楽に戻す、ゆっくりとした非線形の、努力を必要とするプロセスである。

かつて障害を抱える娘を出産したリサ・ポーター教授は、舞台演出やマネジメントなどステージ関連業務を専門とした人物である。彼女は人生の移行と舞台の転換を、美しい喩えで表現してくれた。そうした移行や転換は、レンガをつなぐモルタルのようなものだと彼女は言う。

「レンガはショーや人生の構成要素であり、モルタルにはそれらをつなぎ合わせる役目があります。モルタルが機能しなければ、建物は崩壊してしまいます」

つまり、移行そのものが接着剤であり治療薬なのだ。それは壊れたものを取りあげて修復し、揺れているものに手を添えて安定を図り、形のないものをすくい上げて形を与える。

【訳者略歴】
髙橋功一(たかはし こういち)
青山学院大学卒業。航空機メーカーで通訳・翻訳業務に従事し、その後専門学校に奉職。現在は主に出版翻訳に携わる。訳書に『自信がつく本』(共訳、ディスカヴァー・トゥエンティーワン)、『エディー・ジョーンズ 我が人生とラグビー』(ダイヤモンド社)、『世界の天才に「お金の増やし方」を聞いてきた』(文響社)など。

ブルース ファイラー

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