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都内の横幅1.8m「極細物件」工夫だらけ驚きの内部 「資材置き場」向きだった敷地に家を建てた

東洋経済オンライン / 2024年8月10日 8時0分

かつては隣の家の間に挟まれていた「1.8m幅の家」(写真:傍島利浩)

思わず足を止めて眺めてしまうような、街中にある少し変わった形をした物件ーー。

いったいなぜ、そのような形になったのか。そこには、どんなドラマがあり、どのような生活が営まれているのか。

連載「『フシギな物件』のぞいて見てもいいですか?」では、有識者や不動産関係者に話を聞き、“不思議な物件 ”をめぐるさまざまな事情に迫る。

昭和の残り香が感じられる街に建つ

日本の総人口の約1割にあたる1417万人(令和6年7月現在)が暮らす、過密都市・東京。高層マンションに団地、アパート、古くからある邸宅、モダンな一軒家など、バラエティ豊かな住まいが存在する。

【写真26枚】猫4匹と夫婦で暮らす豊島区にある幅1.8mの極細物件。家の中はどんな光景?気になる間取りも

そんな東京で横幅1.8mの空間のスリムで細長い家に出会った。

東京屈指の繁華街・池袋から、2〜3km離れた豊島区のとあるエリア。住宅や商店が密集し、戦後復興期に建てられた商店の建造物など、昭和の残り香が感じられる。賑わいが見られる通り沿いに、その住宅は建っていた。

扉を開くと、そこには不思議な空間が広がっていた。

【写真26枚】猫4匹と夫婦で暮らす豊島区にある幅1.8mの極細物件。家の中はどんな光景?気になる間取りも

この住宅の名前は「1.8M WIDTH HOUSE(1.8m幅の家)」。地下1階、地上3階の鉄骨造の建物で、高さは約9.8mある。

道路に面する敷地間口は約2.5mで、奥行きは約11m。ウナギの寝床のような細長い住宅だ。物件サイトには資材置き場向きとしても紹介されていた特徴的な土地を活用。2012年4月、建物に挟まれた敷地に建てられた。

スリムだけれど狭さを感じさせない空間

出迎えてくれた家主のOさんに挨拶して、エントランスに入ると、猫が1匹、寝転んでくつろいでいた。奥には納戸として利用している半地下が見え、左手には上のフロアへ続く階段がある。

さっそく階段を上がり、辿り着いた場所は仕事場として活用されている。想像通り、空間はスリムだ。

仕事場の隣には、もう1つスペースがある。道路側に設けられた大きな窓からは光が差し込み、宙に浮くように配置された床の隙間からは心地よく光と風が抜けていく。たしかにスリムだけれども、開放感がある。

この建物を設計したのは、戸建てや長屋住宅、施設などさまざまな建物を手がける一級建築士事務所のYUUAだ。同社では、高円寺の築100年の町屋を改修し、事務所として活用している。

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