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立ち食いそばに「100万円の机」実現させた発想法 「ルールよりゴール」で新しい発想が生まれる

東洋経済オンライン / 2024年8月13日 14時0分

では僕が出す答えは何かというと、「まず、黒いペンをくださいと言う」だ。みんなから「えーそんなのずるい」という声が上がる。でも本当にそうだろうか?「白い紙に白いペンで書く」というルールに囚われれば、黒いペンをくれなど論外だし、ずるいことになる。しかし「私に見えるようにはっきり文字を書いてください」を最も大切な部分ととらえれば、黒いペンをくれというのも正しい答えの一つになる。

つまり、何を大切なゴールと思うかによって、発想のスタート地点が変わるわけだ。

YUSUKE SEKIの例でいえば、お店にふさわしいテーブルを置くというゴールを達成するために、100万円はかけられないというルール内でなんとかしようとするのではなく、繁盛するお店をつくるというゴールを見据え、100万円以上の価値がある芸術作品を置くという、いわば「ずるい」アイデアで勝負したわけだ。

斬新なアイデアはいつもルールの先にある

ルールより、ゴールは何か? を考えるクセがつけば、既存のルールを逸脱したり、新しいルールをつくってでもゴールに向かえるアイデアを生むことができる。

しかし日本人はこのルールを逸脱する発想法が大の苦手だ。ルールを守ることが常に正しいと教えられる教育からか、前提としての決まり事を疑ってみる思考習慣がない。

会社でみんなが改善したほうがよいと思っていることでも、なんとなくの慣習や社内ルールや上司への忖度などで、新しいアイデアの種を消していることは本当に多い。

でもアイデアはいつもルールを超えた先にある。

ルールは、時代や状況に応じて変えていく

かつて誰かがつくったルールは、時代や状況に応じて誰かが変えなければいけない。そうして新しいやり方が生まれれば、それが新しいルールとなる。

一度、あなたの仕事を見直してみよう。ルールを先行して考えているプロジェクトがあるならそれはきっとゴールが曖昧になっている証拠。「結局何をしたかったんだっけ?」への問いかけが、ルールを超えるアイデアを生むきっかけになる。

ルールはゴールじゃない。ゴールからルールをつくってもいい。

できっこない!をやるから流行る

ビジネスのアイデアは、一般的な感覚を逸脱するぐらいでちょうどいい。

ルールや常識に囚われると画期的なアイデアは出なくなる。過去の成功事例やよくあるやり方の模倣も同じく話題にならない。本気で話題にしたかったら、逸脱する勇気が必要だ。

以前、大阪のある老舗ホテルの役員の方から、ランチに人を呼ぶ施策を考えてほしいという依頼があった。ランチの価格はビュッフェスタイルで5000円。家族ユーザーに向けた子どもメニューも充実していたが、もっと話題にする企画を求められた。

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