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立ち食いそばに「100万円の机」実現させた発想法 「ルールよりゴール」で新しい発想が生まれる

東洋経済オンライン / 2024年8月13日 14時0分

先日も飲食経営の会社に呼ばれ、新規事業領域の話でそのパターンになった。その時、僕がストレートに打ち込んだのが「一番遠いと思う領域の会社とコラボしましょう」だった。

考えてもみてほしい。音楽とファッションとか、飲食と地域企業とか「似ている感じのブランド」「近しいけどまだやってなかった企業」とコラボするのは選択肢の一つだが、世間はあまり驚かない。往々にして「企業の格として同じぐらいの……」という話がでてくるし、同格のイケてるところを求めるのでエッジが立たないのだ。

例えばキリンがPlan・Do・See(編集注:ホテルやレストラン等の運営企業) と組んでも「へえ……」で終わるし、一見遠そうでもアップルとナイキでは(Apple Watch Nike のように)相性が良すぎて、「いかにも組みそうな感じだよね」になる。

流行するコラボには「違和感」が必要。そのためには遠いイメージの企業やブランドと組むほうがいい。

例えば、メルセデスがサントリーと組むと驚くし(なぜクルマとお酒が!?)、スターバックスとナイキでも驚くだろう(コーヒーとスポーツ!?)。ブランドとしての領域の遠さだけでなく、例えば規模の差でも、LVMHが京都の小さな西陣織企業とコラボしたりすると一体なぜ? という興味がわく。

ただし、「え、マジで!?」という驚きのあるコラボでも、ただ遠い業種だけではダメ。そこに深く納得できて心を動かすほどのコラボストーリーがあれば、「なるほど! いいね」という感動が世界中に広がる。

「良い違和感」が感動を生む

成功例を挙げよう。かつてナイキがヴァージル・アブローとコラボして、世界中を熱狂させた「THE TEN」。ラグジュアリーストリートの革命児がスポーツブランドと組んだスニーカーは空前のヒット作となった。

今でこそスニーカーとアーティストとのコラボは珍しくないが、当時は新しい試みで「良い違和感」があった。大企業が個人アーティストをフックアップするのも美しく、ストリートなモノづくり哲学をリスペクトし合う姿に世界は魅了され、「いいね」が広がった。

コラボの方程式はお互いの業種的な親和性よりも、感動を生む組み合わせを優先すること。そのためにも2つのブランドでどういうストーリーを描き、共感を生み、心を動かせるかでコラボ先を見極めたほうがよい。

良い違和感と感動をつくり出せるのが、良いコラボ先だ。

小西 利行:POOL inc.Founder、コピーライター、クリエイティブ・ディレクター

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