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出張族が偏愛「コンフォートホテル」その納得の訳 朝食無料にクーポン連打…ベタだが刺さる戦略

東洋経済オンライン / 2024年8月15日 9時30分

一方でGOLD会員には、これも公式サイトからの予約で、チェックイン時にビール(135ml)などのドリンクもしくはオリジナルグッズのプレゼント、2000円のバースデークーポン配布の特典もある。「ビールが付く24時間ステイ」となれば、出張族にとって、コンフォートホテルに傾く比重が大きくなって当然だ。

こうした数え切れないクーポンや特典は、どこかスーパーの戦略に似ている。筆者の自宅の近隣では、4つのスーパーが激戦を繰り広げている。だが、最も足が向くのはクーポンを配布し、アナログだがシールでポイントを貯められる店だ。同じ買うなら、少しでもお得なほうがいい。無料で食べられるもの、もらえるものがあればなおさらうれしい。コンフォートホテルも、同様の消費者意識をがっちりと掴んでいるといえそうだ。

さらに会員制度においては、会員の宿泊代金の0.5%に㈱チョイスホテルズジャパンからの出金も上乗せし、自然保護や学びの機会に寄付する取り組みも行われている。

フロリダのように? 明るくフレンドリーな接客

ホテルの良し悪しはサービスによっても大きく左右される。コンフォートホテルの接客について説明する前に、少しコンフォートホテルの歴史を紹介したい。コンフォートホテルは、オーナー会社である㈱グリーンズがスタートしたホテルブランドだ。

1999年に1号店として『コンフォートイン京都五条』を開業し、その後に子会社として誕生した㈱日本チョイスが、世界でコンフォートホテルを展開するホテルFCチェーン『チョイスホテルズインターナショナル』と2003年にマスターフランチャイズ契約を締結。そこから21年かけて、73軒(2024年7月30日時点)まで出店を拡大してきた。

チョイスホテルズインターナショナルはフロリダ発祥であり、これにちなんでスタッフには、「フロリダの太陽のような」明るく親しみやすい接客が求められている。そのためコンフォートホテルの接客は、肩肘張らずにフレンドリーで、スタッフが積極的に話しかけるスタイル。孤独な出張族に、一服の癒しをもたらしてくれている。

教育の基準になっているのは、ブランドコンセプト「Color your Journey. 旅に、実りを。」を行動指針に落とし込んだブランドブックと、日々の行動指針を書いた持ち歩けるクレドだ。

その内容は社外秘とのことだが、要約すると、「安心安全を基盤にしながら、快眠快適、朝食のバランスのよさという機能的価値と、旅の思い出などの情緒的価値を提供する」となるとのこと。一挙手一投足をマニュアル化するのではなく、サービスの際の精神性の共有を重視しているのだ。

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