「株価の大暴落」の影響は本当にもう収まったのか 今後の生活にどのような影響があるのか?
東洋経済オンライン / 2024年8月15日 8時0分
さて、株式市場や為替市場が今後どんな展開をするのかはわからないが、過去の株価暴落局面などをみると、その多くが一度底を打った後に、もう一度、それに匹敵するような底値を付ける傾向が高い。つまり、今後株価が単純に回復していくとは考えにくい。株価が下落したときには、むろん投資のチャンスなのだが、投資後に再び株価が下落してダメージをさらに拡大することもよくあることだ。
今回の株価暴落は、どう見てもこれまでの投機的取引の巻き戻しが起きたと考えるのが自然だ。ドル円相場を見るときに参考となるシカゴ・マーカンタイル(CME)の上場商品である「IMM通貨先物」の建玉情報を見ると、ショートポジション(売り建て)は7月23日には17万1498枚(非商業部門=投機筋)あったのが、8月6日には7万7523枚となっている。さすがに大きく減少したものの、まだ7万枚以上の売りポジションが残っていることになる。
積立投資でこつこつ投資がベター
今後も、ドル安円高トレンドは解消していないとみていいかもしれない。もう一度、ポジション解消のためには円高にならざるを得ないから、株価もまだ下落する余地があるということだ。こんなときには、多額の資金を個別銘柄に投資するような方法ではなく、やはり積立投資でこつこつ投資するのがベターだろう。
少なくともNISAをまだやっていない人にとっては、始めるチャンスと言っていい。年初に始めようと思っていた人なら、再び年初のレベルに株価が戻ったと考えれば、再スタートにはいいタイミングかもしれない。
恐怖指数とも呼ばれる「VIX指数」も、ピーク時の38.57から20.37(8月9日現在)にまで戻ってきた。様々な指数をチェックすることも大切だ。
岩崎 博充:経済ジャーナリスト
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