赤ちゃんの防災「誤った」ライフハック情報に注意 被災時の授乳や赤ちゃんのお世話どうする?
東洋経済オンライン / 2024年8月15日 9時30分
台風の影響が心配されています。8月8日に発表された「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」からも1週間が経過しました。今後も、地震と台風が同時に起こる複合災害も考えられますし、旅行に行く人の多い季節でもあります。
【画像】乳幼児のいる家庭が、災害に備えて、コピーや写真で記録しておきたいもの
この記事では、ふだんから役立つ子育て家庭の備えについて、古い情報やかえって危険になる情報も少なくないので、最新情報をまとめました。
子育て家庭の防災のポイントは、「ふだん使い」です。
※外部配信先ではイラストを全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください
災害時のミルクづくり、間違った情報も
赤ちゃんと栄養の情報について、ネット上には実施すると危険になるライフハック情報も混在しています。
どれが危険な情報かわかりにくいので、資料や論文、国のガイドラインなどの根拠を示し、多くの医師・医療従事者や防災の専門家の協力を得て、読みやすい縦スクロールのマンガ『どうする?災害時の赤ちゃんの栄養』として、公開しています(AmazonやHPから無料で閲覧ダウンロードできます)。
粉ミルクは70度以上での殺菌が必要ですが、ネット上には、水で溶いた粉ミルクをカイロなどで温めることを勧める情報が出回っています。しかし、カイロで温めただけでは、赤ちゃんにとって危険となる菌が繁殖しやすくなるだけで、殺菌はできません。
どうしてもお湯が沸かせない場合、日本栄養士会は、リスクはあるものの、「乳児に適した衛生的な水で粉ミルクを溶かします」として、水のまま代替する方法を記載しています。
「カイロで温める」は、災害のたびに掘り起こされて出回る、ゾンビのような情報です。もうシェアや紹介をしないようお願いします。
「靴用カイロは普通のカイロより高温になるので使える」というライフハックも、哺乳瓶に当てて「伝導」により熱を伝えるだけで、沸騰させて「対流」させるわけではありません。溶かした粉ミルク全体を殺菌することはできないのでやはり使えません。
粉ミルクを使う場合は、カセットコンロなど沸騰させられるグッズを準備してください。中にはカセットコンロの使用を禁じているマンションなどもありますが、その場合はポータブル電源で使える湯沸器があります。
【画像】災害に備えて読んでおきたいマンガやイラスト図解など(15枚)
また、水害でも地震でも長期間断水が続くのが昨今の傾向ですので、清潔な水の備蓄も必要です。
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