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埼京線板橋駅、「軍需の街」玄関口からの大変貌 2025年で140周年、実現しなかった鉄道計画も

東洋経済オンライン / 2024年8月17日 7時30分

三田線の延伸は高島平団地から通勤・通学客を大量に都心部へと送り出すことにつながり、それは新板橋駅から板橋駅への乗り換え需要を増加させることにもつながった。

池袋至近でも繁華街化はせず

こうした鉄道網の充実によって都市化を遂げた板橋区だったが、そのために「住工混在」という新たな問題が発生した。住工混在地域では、工場の騒音・振動・汚水・臭気などの対策が必要となる。板橋区は先手を打って1965年から公害係を設置して対策に乗り出していたが、抜本的な解決には至らなかった。

工都の名に相応しく、最盛期の板橋駅周辺には日本食料倉庫や住友セメント(現・住友大阪セメント)生コンクリート工場への専用引込線があったほか、周辺には日本通運や西武運輸(現・セイノースーパーエクスプレス)の倉庫も立地していたが、駅周辺の宅地化が地価高騰を招き、その煽りを受けて工場は郊外へ移転。問題視されていた住工混在は時間の経過とともに自然に解消された。それに伴い貨物輸送も激減し、1999年に板橋駅の貨物取扱は廃止された。

以降の板橋駅は副都心として発展を遂げる池袋駅から至近という好立地を活かしつつも、繁華街化の波が押し寄せることはなかった。2018年には新駅舎も竣工したが、現在も商業地と住宅地が入り交じりつつ、閑静な環境を保っている。

小川 裕夫:フリーランスライター

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