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「クサウマい」博多ラーメンが東京で増えない理由 豚骨臭、安価なイメージゆえの薄利…だけではない

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 14時0分

店の前の道路の拡幅工事のため立ち退きとなり、2023年12月末をもって閉店となった「きら星」。名店でも物件取得が容易ではない現実が、東京にはある(筆者撮影)

福岡県から上京した人が多く語る「東京には、本格的な豚骨ラーメンが少ない」という言葉。ラーメンが国民食となって久しいなか、なぜ東京には「クサウマい」本場感のある豚骨ラーメンが少ないのでしょうか。ラーメンライターの井手隊長さんが複数の店主への取材をもとに、レポートします。

日本の国民食、ラーメン。多種多様のラーメンが全国に広がり、そのバリエーションの広さがラーメンの魅力の一つだが、その中でも好きなラーメンのアンケートを取ると必ず上位にランクインするのが「豚骨ラーメン」である。

【画像13枚】「熟成臭にクレーム」「価格も都内では安すぎる」…。厳しい条件のなか、東京で「クサウマい」豚骨ラーメンを出すお店たち

テイストアトラス(TasteAtlas)が2023年に発表した「世界で最高のスープ100」では日本の豚骨ラーメンが第1位に選ばれ、世界最高のスープとしても評価されている。日本のラーメンが海外に広がっていく中で、豚骨ラーメンの存在は大変大きい。

豚骨ラーメンは福岡県久留米市発祥だが、それが九州エリアに少しずつ広まっていき、今でも各地で特徴的な豚骨ラーメンを食べることができる。特に「博多豚骨ラーメン」は全国で知られる豚骨ラーメンの代表格だ。首都圏で豚骨ラーメンというと「博多豚骨ラーメン」を思い起こす人が多いだろう。

博多豚骨ラーメンのファンを増やした「博多一風堂」

全国的な人気を獲得したきっかけの一つとして、「博多一風堂」や「一蘭」のような博多に本店を持つチェーン店の存在が大きい。

【画像13枚】「熟成臭にクレーム」「価格も都内では安すぎる」…。厳しい条件のなか、東京で「クサウマい」豚骨ラーメンを出すお店たち

「博多一風堂」は豚骨特有の臭みを抑えながら濃厚で旨味の強いスープを仕上げ、木製の看板や手染めののれん、木調の内装や店内にBGMとして流れるジャズなど、女性でも入りやすい雰囲気の店づくりで、博多豚骨ラーメンのファンを大きく増やしたお店として知られる。

2008年にはニューヨークに進出し、流通を変え、ラーメン店が海外に進出しやすい土壌を作り上げた。海外の豚骨ラーメンブームはそこからスタートしたといっても過言ではない。

「一蘭」は「味集中カウンター」が有名だ。客が座るカウンターとスタッフ通路の間に目隠し用のすだれをかけ、隣席との間にも仕切りを設けることで、個室のようなプライベート空間を作り、周りを気にせずにラーメンを楽しめるのが好評だ。

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