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「クサウマい」博多ラーメンが東京で増えない理由 豚骨臭、安価なイメージゆえの薄利…だけではない

東洋経済オンライン / 2024年8月18日 14時0分

東京・高田馬場にある「博多ラーメン でぶちゃん」の店主・甲斐康太さんは、博多豚骨ラーメンの「安い」というイメージを覆すべく、大胆な価格戦略に出ている。昨年2023年12月から博多ラーメンを1100円に値上げし、わずか2年間で6割の値上げを行っている。

「人件費の問題、炊きっぱなしのガス代の問題、原材料費の高騰など総合的に考えると、安く提供することは不可能です。安いの裏側には何があるのか。

従業員にブラックな長時間労働を強いたり、安い賃金で働かせたり、食材の業者を叩いたりしない限り、実現することはできません。客のためと思って企業努力しているんだと思いますが、その方向が間違っているんです」(「でぶちゃん」甲斐さん)

甲斐さんは博多ラーメンが東京では1100円で出せる食べ物であることを証明するとともに、食材費だけではなく、職人の“技術”も価値であるということを伝えたいと考えている。

本場・福岡でも「非豚骨」の新店が上回る

「きら星」は2023年12月で惜しまれつつ閉店。またクサウマの名店がひとつ姿を消した。

「和」の馬場店主はこのままの流れではクサウマ系のお店は増えていかないだろうと嘆く。

「現地っぽい博多豚骨ラーメンは華やかさがあるわけではないので、その魅力が一般的に伝わりにくい。昔からある古いラーメンというイメージになってしまっていると思います。

昔に比べて圧倒的に店舗数が少なくなってしまっているので、業界的に盛り上げようにも難しい状態になっています。今あるお店がそれぞれ味を磨いていき、ファンを獲得していくしかないと思いますね」(「和」馬場さん)

本場・福岡においても近年は豚骨ラーメンよりもそれ以外のラーメン(「非豚骨ラーメン」と呼ばれる)の新店の割合が多く、ラーメンの多様化とともに衰退してしまうのではと危惧されている。

筆者も都内でクサウマ系のお店を見つけると飛び上がるぐらい嬉しくなるが、今あるお店の味を文化としてしっかり残すべく、業界全体で考えていきたい課題である。

【その他の画像も】「熟成臭にクレーム」「価格も都内では安すぎる」…。厳しい条件のなか、東京で「クサウマい」豚骨ラーメンを出すお店たち

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井手隊長:ラーメンライター/ミュージシャン

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