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NTT西日本、「顧客情報流出」の先に待つ2つの難題 北村新社長「設備だけで稼ぐ会社から転換する」

東洋経済オンライン / 2024年8月19日 10時0分

昨年秋にグループ会社の不祥事が発覚したNTT西日本。新社長の下で立て直しを図れるか(撮影:ヒラオカスタジオ)

グループ会社による顧客情報不正流出事案が昨年秋に明らかになった、NTT西日本。今年3月には、トップが辞任する事態にまで発展した。

社会的信頼という通信会社の屋台骨が揺らぐ中で、前社長の森林正彰氏の後を継いだのが北村亮太氏(59)だ。直近までNTT東日本の副社長を務めた北村氏は、海外経験が長かった森林氏とは対照的に、持ち株会社の経営企画や総務といった中枢部門を歩んできた。

事案の再発防止を徹底し、顧客からの信頼を取り戻すことが喫緊の課題となる一方、NTT西は事業面でも大きな課題を抱えている。5月に発表した2025年3月期の通期業績見通しでは、営業利益が前期比4割強の大幅減益予想となった。前期に不良資産の売却益を計上した反動があるとはいえ、固定電話の市場環境が厳しさを増す中で事業構造の転換が急務となる。

これからのNTT西の命運を握る2つの難題に対して、新トップとしてどのように取り組むのか。4月に就任した北村新社長に考えを聞いた(取材はオンラインで実施)。

全30支店を回ってわかったこと

――顧客情報の問題で森林前社長が辞任し、思わぬ形での社長就任になったと思います。就任後の4カ月、どんなことに取り組んできましたか。

【写真で見る】オンラインで取材に応じた北村新社長。「オールマイティで危機のときにふさわしい」(NTT島田明社長)人物という

事業構造の転換期でもあるので、就任以降、30支店を全部回り、社員からいろんな声を聞いてきた。この間、900くらいの意見が上がり、80件くらいの改善要望も聞いた。

社員は「これから新しく事業ポートフォリオを広げるに当たり、どう貢献していけばいいか」と、けっこう前向きにとらえてくれている。こうした改善要望も含め、経営トップが小さい課題から解決していくことが大きな変革に結びつく。そういったところをしっかりしないといけないと、改めて思った。

――さまざまな社員の声に触れる中で、とくにこれから重要だと感じた部分はありますか。

今まで通信をベースにして仕事をしてきたが、そこから通信の周辺領域、まったく新しい領域にチャレンジしていこうとすると、「人の力」が非常に大事になる。設備だけで稼ぐ会社ではなくて、人の叡智で稼ぐ会社にしていかないといけない。

スキルチェンジやスキルアップなど人材育成に対する社員のニーズや思いはひしひしと感じたので、どういう分野にチャレンジしていくか、どういうスキルを身につけてほしいかをしっかり知らせていくことが大事だと感じた。

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