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「お祈りメール送るのツラい」採用担当の心の叫び AIや大谷選手も絡める「25年採用川柳」の中身

東洋経済オンライン / 2024年8月20日 10時0分

ここからは、【佳作】に入選した作品を抜粋して紹介しよう。

辞退率 6月に入り 急上昇 もうすぐ超える 大谷の打率(大阪府 ナーポリさん)

【優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選した。

政府主導の就活ルール上での面接選考解禁である6月を迎え、これまで面接選考を手控えていた一部の大手企業も面接選考を開始し、一気に内定者(重複内定者)が増えていく。

一足早く面接選考を行い、内定出しを実施していた企業からすると、大手企業で内定をもらった学生たちからの内定辞退が急に増え始める時期でもある。それを「急上昇」で表現するとともに、内定辞退率の具体的な数字を出すことなく、「大谷の打率」とすることで「3割強」であることを読者にうまくイメージさせている。

内定辞退率の上昇という、採用担当者にとっては困惑と焦りが入り混じったテーマであるにもかかわらず、スポーツを交えた表現が新鮮で、現実の厳しさを和らげていると言える。

ドジャース移籍1年目から、右ひじ手術のリハビリ期間中とは思えない大谷翔平選手の活躍が連日のように報道され、バッターとしての成績が共通言語となっているところもまたすごいことである。

交渉は 自分でせずに エージェント 任せていいの オオタニさ~ん(東京都 わっちさん)

こちらもMLB大谷翔平選手を引き合いに出して、ユーモラスに表現した作品となっている。

近年は、学生が自ら企業探しやエントリー、説明会申し込みなどの就職活動をするのではなく、転職と同様に応募や面接日程調整を新卒紹介エージェントに任せる学生が増える傾向にある。

エージェントに任せる風潮に対し、今年3月に起きた大谷選手の通訳騒動を引き合いに疑問を投げかけた一首である。就職の重要な場面でのエージェント任せに対する不安をユーモラスに表現している。

就職活動でエージェントを活用した学生は、就職した会社でいざ退職したいとなったら、今度は今年4月に話題となった退職エージェントを活用するんだろうなと思わずにはいられない。会社(人事担当者)と個人(学生・社員)が紡ぎだす信頼関係の重要性を改めて考えさせる作品である。

「オオタニさ~ん」は、大谷選手が昨年まで所属していたエンゼルス時代に、アメリカのFOXスポーツウエストのエンゼルス担当実況者であったビクター・ロハス氏が、大谷選手がホームランを打ったときに叫ぶおなじみのフレーズをもじったものと思われる。

AIは万能ではない?

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