「お祈りメール送るのツラい」採用担当の心の叫び AIや大谷選手も絡める「25年採用川柳」の中身
東洋経済オンライン / 2024年8月20日 10時0分
適性じゃ 相思相愛 だったのに フラれて恨む AI判定(東京都 総務部長さん)
こちらも【優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選した。
AIを搭載した適性検査で、自社の組織風土とのマッチ度(相性)が最適と判定された候補者に辞退されるという皮肉を描いた作品。AI判定を信じた結果の失望感と、それに対する恨み節がユーモラスに表現されている。
近年、学力検査や従来からの適性検査とは異なる検査を導入する企業が増えている。
既存の社員にも応募者と同一の適性検査を受けてもらい、組織全体や受け入れ部署のカルチャーや組織風土を可視化し、応募者の検査結果とのマッチ度をAIで診断するというものだ。応募者個人のキャリア志向や価値観、パーソナリティーなどを総合的に分析し、組織側の診断結果と照らし合わせてマッチ度を算出するという。
AIの万能性に対する疑念と、人間の予測不能な一面が感じられる一句である。AIには相性だけでなく、ぜひ辞退確率も機械学習してもらいたいところだ。
手強いぞ 手書き作文 クセつよ字 手こずる判読 AI読める?(神奈川県 賽の河原の採用担当さん)
こちらは【最優秀賞】を受賞した作者が別の作品で【佳作】にも入選。
最近はPCやスマホの利用が多くなり、普段の生活で文字を書き慣れていない学生が増えている。
エントリーシートや課題の作文などの読みづらい手書き文字の判読をAIに助けを求めたいという採用担当者の苦悩を詠んだ作品である。文字の癖が強く、内容がよくても読めないという現実に対する皮肉がユーモラスに描かれている。
どんなに癖の強い文字も読み込ませたら(スキャンしたら)、すぐにテキストデータ化してくれる優れた画像認識技術を持ったAIの登場を期待するしかない切実な気持ちが込められている。ただし、それほど手こずるのであれば、いっそ手書きでの課題提出を諦めたほうが早いのではないだろうか。
採用担当者も心が晴れることはない
【佳作】をあと2作品紹介しよう。
早々に 内定もらって これからは 第一志望の 企業を選ぶ(滋賀県 クリスタルKさん)
年々就職活動(採用活動)の早期化が進んでいるが、これは決して早期決着を意味するものではない。単に早期化した分だけ活動全体は長期化しているのが現状だ。早期に内定を獲得しても、そこで就職活動を終える学生は極めて少数派だ。
残りの多くの学生は、「内定をゲットしてからが本番!」とでも言わんばかりに、その内定を保険と考え、そこから第一志望の企業からの内定獲得に向けた就職活動が動きだす。
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