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日系だけじゃない「中国で車売れない」広がる悲鳴 ドイツメーカー、現地メーカーも大変な状況

東洋経済オンライン / 2024年8月21日 9時0分

アメリカ系、フランス系、韓国系は数年前に合弁解消、撤退ラッシュが起きており、競争力の弱いメーカーからEVシフトに飲み込まれ、その波がホンダ、トヨタの胸元まで来たというところだ。

日系と首位を争ったドイツ勢も厳しい

ホンダ、トヨタの中国での販売が好調だった2020年、中国市場で日系メーカーのシェアは20%前半に達し、ドイツと首位を争っていた。

それが中国乗用車市場情報連席会(CPCA)の今年6月のデータによると、ドイツ系ブランドのシェアは前年同期比2.6ポイント低下し18.6%、日系は同3.5ポイント低下の14.3%。対して中国ブランドは同9.3ポイント伸長し58.5%だった。つまりドイツ勢も厳しいのだ。

中国の自動車販売台数で長きにわたって首位を守ってきたフォルクスワーゲン(VW)は今年、BYDにその座を明け渡す可能性が濃厚だ。

中国の高級車市場をがっちり握っていたVW、BMW、メルセデス・ベンツの3社はいずれも2024年1~6月の純利益が減少し、それぞれ中国の景気後退や業界の競争激化に言及した。

高級車市場では中国メーカーの蔚来汽車(NIO)、ファーウェイが技術協力するEVブランド「問界(AITO)」が猛烈に売り上げを伸ばし、BBA(ベンツ、BMW、アウディ)のシェアを侵食している。

日系、ドイツ系の苦戦の背景には、EVシフトでガソリン車の市場が急激に縮小していることに加え、値下げ競争に巻き込まれていることがある。

日本ではそれほど詳細に報道されていないが、ホンダの藤村CFOが「他社の値引きの状況が、われわれの想定を少し超えているレベル」と言及しているように、一部メーカーを除いて採算が取れなくなるほどの状況に陥っている。

価格競争は2023年秋ごろから加速した。BYDが年間販売300万台を達成するため値下げに踏み切り、黒字化できていない中堅メーカーも追随した。

2024年に最初に仕掛けたのもBYDだ。「EVはガソリン車より安い」というスローガンを打ち出し、手始めに低価格帯セダン「秦PLUSシリーズ」の価格を引き下げた。

2023年2月に発売されたPHVの「秦PLUS DM-i」は、最廉価版が9万9800元(約200万円)と、中国国内のPHVで初めて10万元を切る価格で瞬く間にヒットした。

その車種を2024年2月にリニューアルし、従来より2万元(約40万円)安い7万9800元(約160万円)で販売、EV版も2万元値下げして10万9800元(約220万円)からとした。

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