日系だけじゃない「中国で車売れない」広がる悲鳴 ドイツメーカー、現地メーカーも大変な状況
東洋経済オンライン / 2024年8月21日 9時0分
「秦PLUS DM-i」の値下げは、日産と東風汽車の合弁会社である東風日産が製造するシルフィ、上海フォルクスワーゲンのラヴィダ(LAVIDA)、トヨタと第一汽車の中国合弁である一汽トヨタが生産するカローラを狙い撃ちした。
ガソリン車を買うのは、ポケベル買うのと同じ
EVシフトが進む中でも、保守的な地方消費者が主な顧客とされる10万元前後のセダンはなお合弁メーカーのガソリン車が強い。
2018年に中国の乗用車販売台数でトップに立ったシルフィは、2020年、2021年の販売が50万台を超え、2023年は37万6100台まで減少するも、なおセダンのトップを守っていた。
セダン2位のラヴィダも2019年の51万7000台をピークに、2023年は34万5800台まで落ちたが、人気は根強い。BYDはこのセグメントに切り込んだ。
BYDのブランド・PR総経理の李雲飛氏は「秦PLUS DM-i」の値下げを発表した日、SNSに「(NEVが安くなれば)今後、ガソリン車を買う人はいなくなるだろう。今ガソリン車を買うのは、スマホを持っている人がポケベルを買うようなもの」と投稿した。
実際その通りになった。CPCAが公表した今年の7月のセダン販売台数で、長くトップ3を守ってきたシルフィは6位に後退した。
日産は2024年4~6月の決算資料で「競争が激化する中、シルフィは上期を通して中国市場の内燃機関の乗用車セグメントでトップの座を維持しました」と説明しているが、「ガソリン車でトップ」という位置づけが、中国ではさらに時代遅れ感を帯びてしまう。
BYDはその後、主力車種の多くをリニューアルのタイミングで旧モデル価格から値下げした。
日本では「ATTO 3」の名称で発売されているコンパクトSUV「元PLUS」は、日本での価格が450万円、中国では最廉価グレードが11万9800元(約240万円)。ガソリン車駆逐に向け、勝負に出ているのがわかるだろう。
ガソリン車の販売代理店が悲鳴
BYDが値下げすれば、ほかのEVメーカーも追随する。販売のノルマがあるので、ガソリン車も店頭で値引きせざるをえない。シルフィからBMWまで、実売価格はかなり下がっている。
BYDは車体のコストの多くを占める電池の値下がりと、生産台数が増える規模の経済で値下げ余力があるのに対し、黒字化できていないEVメーカーや、製造コスト削減の余地が乏しいガソリン車にとっては、値下げはタコが自分の足を食うような行為だ。
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