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「2ナノ半導体」量産挑むラピダスの地政学的優位 日の丸半導体、「いまさら無理」でもない理由

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 14時0分

がんの分野でも、量子コンピュータの活躍が期待されている。現在の抗がん剤は、がん細胞が複製されていく過程で、ある部分に強制的に「くさび」を打ち込んで攻撃し、複製を止める。ただ同時に、ある確率で良性の細胞も攻撃するため、副作用が避けられない。しかし、量子コンピュータでの解析によって、くさびをピンポイントで打ち込むべき標的がわかるようになる。

解明されていない未知の領域にも

東洋医学や免疫といった未知なことが多い分野についても、量子コンピュータがメカニズムを解明できる可能性がある。たとえば鍼治療は、自律神経を刺激しながら、人間の中に眠っている自然治癒力を呼び覚ますといわれているが、詳しいことはまだはっきりわかっていない。

免疫も同じで、オランダでは子どもが2歳になると牧場で遊ばせることで、アレルギーや喘息になりにくいといわれている。おそらく家畜や土、植物、あるいは微生物などによって免疫を獲得させているのだろう。とはいえ、そのメカニズムはやはり明らかになっていない。

ほかにも、量子コンピュータによって解決に向かう分野は、数かぎりない。ラピダスが2ナノの製造をめざすのは、こうした未来の世界を切り拓くためなのだ。

小柴 満信:JSR前会長、経済同友会経済安全保障委員会委員長

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