大阪メトロ堺筋線「飛び地」にある車両基地の内側 阪急沿線、東吹田検車場ならではの作業とは?
東洋経済オンライン / 2024年8月22日 7時30分
現在、Osaka Metro(大阪メトロ)ではニュートラムを除き、8つの地下鉄路線を運営している。
【写真30枚を見る】大阪メトロ堺筋線の車両基地「東吹田検車場」とはいったいどんな場所なのか?66系車両の整備風景や車内の様子も
このうち、最初に開業した路線である御堂筋線をはじめ5路線は、走行に必要な電力を屋根上の架線からではなく線路横のサードレール(第三軌条)から取り入れる「サードレール方式」を採用。車両の規格も共通で、特に新20系と呼ばれる形式は5路線すべてで活躍している。
大規模検査は四つ橋線の北加賀屋駅近くにある緑木車両工場で行われており、各路線の車両は連絡線を通って同工場へと回送される形だ。
「サードレール」でも「リニア」でもない
また、平成以降に開業した長堀鶴見緑地線と今里筋線は、走行にリニアモーターを用いた「リニア地下鉄」方式を採用。両線の車両規格も共通化されている。こちらも両線の車庫が連絡線でつながっており、大規模検査は長堀鶴見緑地線の鶴見検車場で実施。検査機能を集約することで、効率化を図っている。
一方、この2グループに属さない“独自仕様”の路線が1つある。それが、堺筋線だ。
【写真】大阪メトロ堺筋線の車両基地、「東吹田検車場」とはいったいどんな場所なのか?66系車両の整備風景や車内の様子も(30枚)
堺筋線は、1969年に天神橋筋六丁目―動物園前間で営業を開始。1993年には動物園前―天下茶屋間が延伸された。もともと同線は大阪市外に延びる私鉄との相互直通運転を前提に計画が進められ、その相手として阪急電鉄と南海電気鉄道が名乗りを上げた。
ただし、この2社は線路幅が違うため、どちらか一方としか直通運転ができない。協議の末、阪急と直通運転を行うことが決まり、車両の規格も同社との間で調整。結果、御堂筋線などと同じ線路幅ながら集電方式は架線式とされ、車体の寸法も少し異なる“独自仕様”が生まれた。
また、堺筋線は車両基地をどこに設けるかも問題となった。全線にわたって大阪市の中心部を通るため、沿線での用地確保は難しい。そこで当時の大阪市交通局は、乗り入れ先である阪急の沿線に車両基地を設けることとした。
他社線の沿線に車両基地を設けるケースは、首都圏では東京メトロ半蔵門線の鷺沼車両基地(東急電鉄の沿線に立地)などの例があるものの、それ以外では極めて珍しい。
東吹田検車場の内側
阪急京都本線で京都河原町方面から大阪梅田方面に向かうと、正雀駅の手前で右側に阪急の車両基地が見えるのに続き、同駅の先でも左側に車両基地が出現する。これが、大阪メトロの東吹田検車場だ。
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