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「60代以降に衰える人」が"無意識"にしていること 中高年が陥りやすい「不健全思考」とは何か

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 7時30分

友人のFさんは、早期退職して悠々自適な生活をしています。日課は朝夕の散歩で、コースを変えて歩いています。小学生には「おはよう」「こんにちは」と笑って声をかけていましたが、挨拶を返してくれたのはそのうち半分ぐらいです。とくに女の子は挨拶を返してくれません。

あるとき、挨拶をしたら母親のような人が来ました。そして子どもの手をひいていくときにFさんを睨んだそうです。「自分は不審者と思われていたのか」とFさんはがっかりしました。顔がいけないのか、服装がいけないのか、と妻に相談すれば、「フツーのおじさんだけどね」と笑われます。

Fさんは、落ち込みました。あまり外に出ないようにしようと考えました。一時的に不安にも襲われ、薬も飲むようになりました。脳が防衛的に世間の人に嫌われないようにしようと考えるのは、当たり前のことです。

遠くに住む娘がその話を聞き、「そんなのはバカらしい。どんどん街を歩きなさい」と、ネクラの脳を吹き飛ばすアイデアを考えました。グレーっぽいおじさんファッションをやめ、明るい素敵な服を着るようにしました。

動物の絵がプリントされたTシャツを着て、明るい色のスニーカーを履きました。その姿で歩くと、小学生の挨拶返答率が少し高まったそうです。地域の人がどう思ったかはわかりませんが、家族の評判は上々です。

脳をネクラにしないためには、脳の環境を整え、脳の裏をかくようなアイデアが必要なのかもしれません。自分の気に入った服を着たり、自分へのご褒美に美味しいものを食べたり、マッサージへ行って気持ちよくなるのも、脳にやる気を出させる方法です。

ネガティブ思考とポジティブ思考の「違い」

ものごとをよくないほうばかりに考えることをネガティブ思考といいます。

医者に「血糖値が高くなっています。気をつけましょう」と注意されると、自分は糖尿病になるのかと、その病で苦しんでいる親族、知人を思い出します。食事は制限されるし、食事のたびにインスリンを打つ。あげくに目が見えなくなったり透析したりしている人もいるなあと、未来を暗く思い描きます。これは極端な例ですが、こういうふうに考えて落ち込むのがネガティブ思考です。

それではポジティブ思考とは、どういうものでしょう。「糖尿なんて、よくある病気じゃないか。たいていみんな糖尿だ。心配することなんかないさ」と明るく前向きに考えようとします。こういう方はけっこういらっしゃいます。明るく前向きなのですが、お酒を控えることも食事を見直すことも得意ではなく、自分流に突き進んで病気を悪化させるタイプです。

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