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「60代以降に衰える人」が"無意識"にしていること 中高年が陥りやすい「不健全思考」とは何か

東洋経済オンライン / 2024年8月22日 7時30分

糖尿病の悪化を心配しすぎてお酒を飲まないようにしているネガティブ思考の人に、先のポジティブ思考の人が励ましを言うことがあります。「オレだって血糖値が高いぞ、心配するな、大丈夫だ。石を投げれば糖尿病の人にあたる時代だ」とお酒をすすめます。そうしてネガティブ思考の人もポジティブ思考になりました。めでたし、めでたし……。

これはいい話でしょうか。これらネガティブ思考もポジティブ思考も正しい根拠に基づいていませんし、論理的ではありません。こういう考え方を「不健全思考」といいます。

正しい根拠に基づく「健全思考」

不健全思考とは、①事実に基づいていない、②論理性がない、③人を幸福にしない、この3つの考え方です。では、どんな思考がいいのでしょうか。それが「健全思考」です。健全思考の考え方は、正しい根拠に基づいて論理的に考えることです。冷静に自分のなすべきことを考えるのです。

ネガティブ思考、ポジティブ思考というのは、感情思考だと私は考えます。悪いほうに考えて落ち込む、よいほうに考えて前向きになるのは、感情的な流れですね。でも、事実はどこにあるのか考えましょう。

健全思考とは、自分の「糖の数値が高い」という事実に、本格的な病気にならないための対策を感情ではなくエビデンス(裏付けのある客観的事実)のある方法で対応することです。

たとえば、禁酒ではなく適量を飲む、飲まない日もつくる、食事内容を見直す、なるべく階段を利用し歩くことを心がけるなど、自分でやれることはやっていきます。

こんな当たり前のことなのですが、ときどき私たちはネガティブ思考にとらわれたことをポジティブ思考で乗り切ろうとしてしまいます。これらの不健全思考を健全思考に変換する練習を「論理療法」といいます。臨床心理学者のアルバート・エリスが提唱した療法です。今ある認知療法より古くから用いられてきました。

たとえば、あなたが知り合いと街ですれ違い挨拶しようとしましたが、相手はあなたに目を向けないで通りすぎました。あなたは、無視されたようで心が悲しくなります。先に話したように脳はネクラですから、ネガティブ思考が発動して、「私は嫌われている」という結論を出します。

ポジティブ思考と健全思考の違いは?

一方、ポジティブ思考で考えると、「あんな人に挨拶してもらわなくても平気だわ」「もとから嫌なやつだと思っていた」と、自分を相手より高くもっていきがちになります。これを健全思考で眺めてみましょう。

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