1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. 経済

新登場「ペアローン団信」はお得なのか?徹底試算 「片方の死亡でローンが両方免除」だが注意点も

東洋経済オンライン / 2024年8月23日 8時0分

経済的にメリットの多そうなペアローン団信だが、見逃せない注意点もある。

ペアローン団信では契約者が死亡すると配偶者のローンも免除になるが、配偶者が免除されたローン分については一時所得として扱われ、所得税の対象となるのだ。この点について説明していこう。

団信はそもそも生命保険である。生命保険金がローンの返済に充てられることで、以後のローン返済が免除される仕組みだ。生命保険金は、遺族の生活保障というその性質からそもそも非課税扱いのため、契約者が死亡し本人分のローンが団信で免除されても税金はかからない。

では、ペアローン団信における配偶者のローン免除はどうかというと、生存者が自分のためにかけた保険で利益を得ることからこの理屈に当てはまらない。そのため、配偶者が免除されたローン分については、一時所得として扱われ、所得税の対象となる。

納税額をシミュレーション

では、どれくらいの額を納税しなければいけないのか。今回のケースで試算してみよう(少々複雑であるため納税額だけ知りたい方は「試算結果はこちら」の見出しまで読み飛ばしてほしい)。

まず、一時所得の計算式はこうなる。

「一時所得=総収入金額-収入を得るための支出-特別控除(最大50万円)」
「一時所得の課税金額=一時所得の金額×1/2」

仮に、先ほどのモデルケースの夫婦が3000万円ずつのペアローンを組んで、1回だけ返済をした後すぐに夫婦の一方が亡くなり、2人のローンが免除されたとする。1回分のローンとしては約10万円を支払っているが、この収入を得るために支払った保険料は金利上乗せ分の約3000円である。

これを上記の計算式に当てはめると、

一時所得=3000万円-3000円-50万円=2949万7000円
一時所得の課税金額=2949万7000円×1/2=1474万8500円 

と計算できる。

ではいくら納税しないといけないかというと、

納税額=(一時所得の課税金額+給与所得などその他の所得-各種控除)×所得に応じた所得税率ー控除額

という計算になる。

試算結果はこちら

今回のケースでは夫婦共に年収700万円(給与所得以外に所得がない前提)なので、

(一時所得の課税金額 約1475万円+給与収入700万円-給与所得控除180万円-社会保険料控除110万円-基礎控除48万円)×40%-約280万円
=約455万円

実際には他にも控除がある場合など、さまざまな条件によって納税額は変動するので、この計算はあくまで大まかなもので正確な納税額とは異なる。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください