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「え!」と思わせるキャッチコピーをつけるコツ 流行は「いい違和感と奥行き」でできている

東洋経済オンライン / 2024年8月27日 17時0分

コミュニケーションで一番重要なのは、こちらの思いが相手に伝わること。そのための基本は「相手の立場に立つ」ことだ(写真:Fast&Slow/PIXTA)

「考えるための方法」が整理されると一気に思考が活性化する――。

伊右衛門、プレモル、PlayStationといった国民的商品の広告を多く手がけてきたクリエイター・小西利行さんがあらゆる「仕事の壁」を突破するために使っているのが「考えるための方法=思考ツール」です。

小西さんの35年間の仕事の中で編み出した100の思考ツールが紹介されている『すごい思考ツール 壁を突破するための〈100の方程式〉』から一部を抜粋し、3回にわたってお届けします。

流行は「違和感と奥行き」でできている

「えっナニ!?→へえ面白い!」の「間」をつくろう

問題。下記のうち、キャッチコピーと呼べるものはどれ?

1:豆腐
2:美味しい豆腐
3:豆腐は美味しい


4:本当に豆腐は美味しい
5:本当の豆腐は美味しい

答えは5。これだけがキャッチコピーとして機能する。最もダメなものは4。なぜなら思いを押しつけるエゴだからだ。

コミュニケーションで一番重要なのは、こちらの思いが相手に伝わること。そのための基本は「相手の立場に立つ」ことだ。その観点でいえば、4は相手(聞き手)の関与する余白がなく、本当に美味しいんです! という伝え手の思いだけが強いので、正直ウザったい。

それに対し、5は「本当の」というところに意味がある。そもそも豆腐に「本当かどうか?」という概念がないために、「本当の豆腐」と言われた瞬間にその背後にある「実はまがい物があるのかな?」「何か本物であることを伝えられる内容があるんだな」までを察知する。

つまり、最初に「なんか変だぞ?」という違和感を生み、その次に「なんか面白そうだ」と期待する気持ちにつなげる。この一瞬の思考時間こそが、心を摑むために絶対に必要な「間」であり、コピーの極意だ。このテクニックは、プレゼンや企画書においても汎用性が高いし、ブランドを生み出すのにも必須だと思う。

これまで多くの流行を生み出してきたファッションディレクターの藤原ヒロシさんは、その話の中で「ブランドにとって大切なのは違和感」であり、さらに「面白いものには奥行きがあり、何かをつくる時にはその奥行きを同時につくることが大切だ」と語る。

それは「間」を生み出し、奥へといざなうロジック。流行はまさに「違和感と奥行き」でできているというわけだ。

デニムでいえば、タグの英語が大文字だとかステッチが違うだけで、「これなんだ⁉」という違和感になり、奥へ進むと「なるほどそうなんだ! 」という話したくなるストーリーが待ち構えていて、その話に魅了され、いつしかそのブランドのファンを超え、語り手となる。

「違和感と奥行き」が「間」を生む

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