「え!」と思わせるキャッチコピーをつけるコツ 流行は「いい違和感と奥行き」でできている
東洋経済オンライン / 2024年8月27日 17時0分
人の注意を引き付け、奥に引き込む「間」を生むには、①「違和感」をつくること、②「奥行き」をつくることの2つが鍵。すなわち、「えっナニ!?→へえ面白い!」という、驚きから興味への連鎖をつくればいい。
「人は笑う前に驚いている」とは、盟友のクリエイティブ・ディレクター高崎卓馬の言葉だが、確かに笑いが起こる前には必ず「え!」という驚きがあり、そこから「なあんだ」という安堵が訪れて笑いになる。
その昔、桂枝雀師匠も「笑いは緊張と緩和から生まれる」という話をしていたように、感情を揺さぶるにはまず心の振れ幅を生むことが必要だ。ただこれは笑いにとどまらず、「えっナニ!? 」のあとに「なるほど!」(納得)でも「わかる~」(共感)でも「ありがとう」(感謝)でもいい。
驚きの先で感情が強く揺さぶられれば、「なんだろう?」という違和感から興味が生まれ、好意となり、話したくなる。
例えば、いっときバズりまくった「10分モンブラン」はその名前だけで「なんだろう」と思わせ、「10 分後には食感が変化するのでテイクアウト禁止」などと奥へ引き込み「食べてみたい」という感情を揺さぶった。
同じ手法をパクる店も出てきたが、ただ真似ただけのアイデアでは驚きがないから「間」が生まれない。やはり新しいアイデアで違和感と奥行きを生むしかないわけだ。
僕たちの日常は目まぐるしく流れていく。その流れに棹さして考える一瞬を生むには、あたりまえのことでは無理。それ相応の「違和感」が必須だ。ただ違和感を追い求めすぎると、週刊誌のゴシップように人の興味をそそるだけの「悪い違和感」も生まれるので、できるだけ幸せを想像して違和感を生み出すのがよいだろう。
まずはあなたの仕事で、どうすれば世の中の人が「えっナニ!? 」と驚くかを考えるだけでもいい。上司からは「真面目に考えろ!」と言われるかもしれないが、それにへこたれず続けていれば、だんだん仕事の領域とマッチする違和感が発見できるようになり、「へえ面白い!」という奥行きを生み出せるようになるだろう。
「間」こそ、心を動かす最初の一撃。
いい違和感と奥行きが良い間を生む。
モノを売るのではなく、“モノがたり”を売る
私たちは日々、何万ものストーリーに突き動かされている
街を歩いていると不思議な違和感のある扉を見つける。どうしても開けてみたくなり、扉を開くとそこにはダンジョンがあり、その先に光る何かが垣間見える。衝動に駆られ、歩みを進め、その光に触れたくなる……。それはファンタジー映画の一場面のようだが、実は流行しているブランド体験そのもの。そしてこれがブランドのつくり方のルールでもある。
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