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3週間で完売「未来のレモンサワー」再販までの道 世界初レモンスライスを入れた缶チューハイ

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 10時0分

次々に現れる新商品に、消費者も最初は「おいしい」「これまでよりレモン感が強い」などと感動するものの、また次に新しい商品が登場するため、新規性も薄れてしまう。

その点、未来のレモンサワーについては、レモンスライスで「これまでの商品とは違う」ことが一目でわかる。

開口部が広いためか、プチプチと弾ける泡の音、レモンの香りが広がって、大袈裟かもしれないが、あたりの空気を変えるような印象がある。
家飲みであっても、外で飲むかのような非日常感を感じさせてくれる。これは人気の一つの理由だろう。

口に含むと、スッキリとした、レモンそのものの味。サワー液に糖分が入っている「オリジナル」と、糖分を入れていない「プレーン」の2種類があるが、前者も甘さはごく控えめに仕上げてある。

この、レモン本来の味が楽しめる味の構成も、これまでのRTDのレモンサワーでは意外にない特徴。人気の理由の大きな部分を占めているのではないだろうか。

私ごとだが、シロップの入ってない、レモンと焼酎、炭酸だけのサワーが一番好きだ。料理の味を邪魔せず、余分な糖質を摂らずに済むためだ。しかしふだん行く居酒屋のうち、出してくれるところは2分の1ぐらい。シロップを使わないほうが手間がかかり、原価が高いということかもしれない。

韓国のレモンスライス入りハイボール

各店舗で品切れを引き起こした理由としてもう一つ、話題性がある。

発売に先立つ4月に、韓国のメーカーから、同じフルオープンの形状で、レモンスライスが入ったハイボールが発売されていたのだ。「どちらかが真似をしたのでは」との疑惑の声が巻き起こり、さらに話題が高まっていたわけだ。

疑惑の念を高めた原因として、未来のレモンサワーの発売発表(1月)から、実際の発売(6月)まで時間がかかっている事実がある。

アサヒビールに確認したところ、発表から発売まで時間がかかったことに深い理由があったわけではなかった。また、韓国の商品に先立つ1年弱前、2023年の5月に、クローズドのサイトにおけるテスト販売を開始している。

韓国のメーカーが真似できた可能性は残るが、「レモンスライスを入れる」という発想は誰でも思いつく。またサワーとハイボールで種類も異なるため、騒ぎ立てるほどのことでもないとも思える。

缶飲料にレモンスライスを浮かべるという発想はともかく、商品化する技術そのものは、一朝一夕に真似できるものではないようだ。

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