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過去の経験を今までよりも20%超生かす方法 簡単な方法で有益な教訓を得ることができる

東洋経済オンライン / 2024年8月28日 16時0分

その後の研究でも同様の結果が得られ、お金がかかっていなくても、内省が能力向上に役立つことが示された。研究者チームは、実社会でも内省のテストを行い、新人スタッフに研修で学んだことを振り返ってもらうと、研修での学習内容の理解度がなんと23パーセントも向上することを発見した。

内省、あるいは教育分野でいう「省察的実践」の利点はいくつかある。

まず省察的実践は、1日の仕事の中で滅多にしないこと、つまり立ち止まって自分の進歩を考えることを促す。そうすることで、私たちは一瞬目が覚め、無頓着な反応や日常的な習慣の霧から解き放たれ、自分の行動の価値を見直すことになる。

物事がうまくいっていれば、自信を新たにしてそのまま突き進めるし、反対に結果が停滞気味であれば、改善策を探すことができる。いずれにしろメリットがあるということだ。

省察的実践はまた、私たちに高次の原則を探し求めるよう促すことで、より深い学びを促進する。「足して10になる数字を見つける」という頭の体操で、内省が役に立つことは疑いようもない。

問題を解く近道を見つけるには、少しの間熟考してみるだけでいい。つまり、すべての数字を10から引いてみるのだ(10引く4.31は5.69。5.69はマトリックスにあるだろうか? あれば、これが答え。なければ、別の数字を試す)。

12個の数字について1つずつ組み合わせを試すともっと数多くの計算をしなければならず、手間がかかる。

同じような近道は、仕事での経験を振り返るときにも現れる。私たちは、自分のパフォーマンスを向上させ、将来の出来事をよりよく予測する力を与えてくれる有益な教訓に出くわすことがある。それを生かせば今後、より的確な予測ができるようになる。

経験を知恵に変えるためには

省察的実践のメリットは、最近の経験をそれまでの自分の信念に照らし合わせることにより、何かのヒントを得られる可能性があるということだ。

1900年代初頭、哲学者で教育論に重要な影響を与えたジョン・デューイが省察的実践の利点について広範な議論を展開し、省察的実践こそ学習と向上に必要不可欠な要素だという意見を提示している。

デューイは、観察だけでは教育には不十分だと考えていた。真の知識は、自分の経験を振り返り、自身の考え方に修正を加えて、自分の仮定を試してこそ得られるものだという。

デューイの思想は今も教育分野に影響を及ぼしており、教員たちは授業計画を立てて実践したあと「どこがうまくいったか?」「もっと改善できるところはないか?」「次は、どこをどう変えて授業を行ったほうがいいだろうか?」と自問することが求められている。

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