夏の「蓄積疲労」をスッキリ運動・睡眠・食事のコツ カギは寝る前のエクササイズとビタミン摂取
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 8時0分
睡眠不足を防ぐには兎にも角にも、寝つきを良くすることです。夜間は適度にエアコンと扇風機を使い、個人差はありますが快適に感じる24~28℃程度の室温、50~60%程度の湿度にして 、その状態で読書をするなどゆったりと過ごせば、副交感神経の働きが強くなって自然と眠気を催しやすくなります。
冷たい飲み物は交感神経の働きを強めてしまうので、夜間に摂る水分は冷やしすぎないようにしましょう。胃の負担が少なく、かつ大腸からの吸収が速い飲料水の温度は5~15℃程度です。
加えて、就寝前に楽な姿勢で、筋肉に心地よい伸びを感じる程度の強さでゆったりと先ほど紹介したストレッチをすることも有効です。
ビタミンB1を摂ってだるさを解消
夏バテ、秋バテの予防の食べ物というと、鰻を思い浮かべる人が多いことでしょう。
鰻にはタンパク質や脂質に加え、さまざまなビタミンやミネラルが含まれていますが、特に夏バテ予防に効果を発揮するのが、ビタミンB1です。
ビタミンB1は、主に糖質からエネルギーを産生する酵素の働きをサポートする補酵素で、不足するとエネルギーの産生量が低下して疲れを感じやすくなり、あまり体を動かしていなくてもスタミナ切れの状態となります。
またビタミンB1は神経伝達にも関わっているため、不足すると神経の機能が低下し、体のさまざまな場所に悪影響を及ぼします。過度に不足した状態は脚気(かっけ)と呼ばれるものですが、そのほかにも末梢神経や心臓に不具合が起こり、感覚のまひや全身のむくみなどを引き起こします。
ビタミンB1が不足するのは、喉越しのよい素麺や冷やし中華など、炭水化物中心のあっさりとした食事が多くなることが原因です。
「食事誘発性体熱産生」といって、食事を摂るとその栄養素が使われる過程で熱が生まれて体温が上昇しますが、特に顕著に体温を上げるのが、主菜となる肉や魚、豆などに多く含まれるタンパク質です。
ビタミンB1が多い食べ物とは?
暑い夏にタンパク質を避けようとするのは、無意識のうちに体温上昇を抑えようとする生物としての戦略ですが、 これが一方でビタミンB1不足を引き起こす原因なのです。
ビタミンB1は鰻だけでなく、豚肉や牛肉の赤身のほか、大豆やエンドウ豆、米ぬか、海苔、ゴマなど、さまざまな食品にも含まれています。
特定の食品に偏ると、別の栄養素の過不足が起きてしまいますから、「主食、主菜、副菜、汁物」という食事の基本構成を守りつつ、さまざまな食材を摂るように心がけましょう。
坂詰 真二:スポーツ&サイエンス代表、フィジカルトレーナー
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