スペインで人気ラーメン屋経営する日本人の素顔 「金もコネもない」30代男性なぜ成功できた?
東洋経済オンライン / 2024年8月29日 10時30分
ここでもまた、芋づる式に飲み仲間が増えていった。誘われたらできるだけ断らずに行く。スペインで起業している人や日本では顔を合わせる機会もないような人とも飲み、普段聞けないような話を聞いた。色々な人の話を聞くなかで、またしても「これ、いけるな」と感じたという。
「何億円も稼いでる人の考え方などを聞いたときに、『こういう考えでこういう行動をしているんだ。なるほど』って。自分だったら逆にこの視点からさらに広く考えて、遠い視点から考えられるな、と想像ができたんです。30代で年収1000万円以上ほしいとか、そういうのは叶うな、と。だから20代は遊ぼうと思って飲んでました」
ここでもまた、「根拠のない自信」が湧いた。
「世の中の人って動かない人のほうが多いでしょ。そういった面では、行動するだけで勝てる可能性があるのかな、と思って。今思えば、アホなんですけどね」と苦笑する。
アパレル業界で10年働き32歳になった下地さんは、「起業」を脳裏に浮かべ、行動に移した。
まず、セレクトショップを辞め、バルセロナにあるうどん屋で1年半働いた。オーナーが、「うどん×ファッション」でアパレル業も経営していたため興味を持った。飲み仲間だったことも大きい。
飲みにいき、人と話す。アイデアを得て、思考を整え、行動する。下地さんの行動パターンはこれだ。
「いかんせん、自分には武器がなかったんで。やるなら、スペイン人から人気の高い寿司やラーメンが手っ取り早いかな、と思いました。寿司屋はたくさんあるからラーメンかな、と。バルセロナでもラーメンの波がきていましたし」
そこで、ラーメン屋の仕事の流れを知りたいと思った下地さんは、一時的に日本へ戻ることにした。2020年3月、新型コロナでスペインがロックダウンしたタイミングだ。
働かせてほしいと地元府中のラーメン店を訪ね歩くも、行く先々で断られた。唯一、受け入れてくれたのが、1日200杯を売り上げる地元では有名なラーメン屋だった。そこで約9カ月間、バイトとして働いた。
「ラーメン屋の1日と1週間の流れを見たかったんです。あとは、『日本のラーメン屋で働いたよ』という箔が欲しかっただけで。1週間くらいで辞めようと思って働いたら、9カ月経っていました」
2022年12月、「日本のラーメン屋で働いた」経験をひっさげ、再びスペインの地へと飛び立った。
無職、金なし、コネなしでの起業
勝負の舞台は縁もゆかりもないバスク地方のビルバオ。
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