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年金の「繰上げと繰下げ」損得を分ける唯一の要素 受給開始の時期は「健康寿命」も考慮して決める

東洋経済オンライン / 2024年9月1日 14時0分

年金の受給開始年齢による「損益分岐点」について解説します(写真:genzoh/PIXTA)

自分がもらう年金の額はあらかじめ決まっている。そう思っている人は多いのではないでしょうか。しかし、社会保険労務士で人気YouTuberでもある「社労士みなみ」さんによれば、年金の額はある程度自分でコントロールできるといいます。

そのためのキーワードはズバリ「年齢」。年金を最大化するポイントについて「社労士みなみ」さんの著書『もらう×増やす×出費を減らす 年金最大化生活』より、一部抜粋、再編集してお届けします。

年金をもらう年齢を遅らせれば1年で8.4%増える

あなたが年金をもらい始める年齢は何歳かご存じでしょうか。

【図表】年金を繰下げ受給すると最大約84%も受給額がアップ!

現行制度では、特に何のアクションも起こさなければ65歳からスタートします。しかし、意外と知られていないのですが、年金をもらい始める年齢は自分で決めることができます。そして、何歳からもらい始めるのかによって、年金額がかなり変わってくるのです。

大まかに分けて、3パターンあります。

1 65歳より早くもらう(繰上げる)
2 65歳でもらう
3 65歳より遅くもらう(繰下げる)

一般的には、もらう金額が増えるのは「繰下げ」です。そこで、最初に「繰下げ受給」からご説明しましょう。

繰下げ受給とは、年金をもらい始める年齢を遅らせる方法です。年金をもらい始める年齢は、原則65歳です。まだかまだかと待っている人もいるかもしれません。けれど、もらう時期を少し後ろにずらすだけで、もらえる年金額が増えるのです。

少し後ろにずらすとはどのくらいでしょうか? それは、65歳から1年間です。66歳以降は、好きなタイミングで、1カ月単位で遅らせることができます。最大75歳まで繰下げ可能です。

繰下げると年金が増える、という話を聞いたことがある人もいるでしょう。しかし、実際のところどれくらい増えるかご存じでしょうか。実は、1カ月遅らせるだけで、0.7%の上乗せになるのです。「え、たったの0.7%?」と思うかもしれませんが、仮に1年遅らせると0.7の12倍ですから、8.4%増えるということです。

上乗せ率は66歳以降、1カ月単位で加算されていくため、5年遅らせて70 歳からもらい始めると42%、10年遅らせて75歳からもらい始めると84%も上乗せされます。

※外部配信先では図表を全部閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください

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