「3浪で公立大合格」ようやく気づいた学ぶ楽しさ 進学先の大学に合わず、再度受験を決意した
東洋経済オンライン / 2024年9月1日 8時0分
「すでに3度目の大学受験になるのでハードな勉強をする気力は起きず、東大や京大には行けないと思っていました。でも、塾講師のアルバイトのおかげで学力は維持していたので、地方国公立なら大丈夫かなと思い、11月くらいからセンター試験の過去問を解き始めました。
センター試験では73%を獲得できたので、前期で九州大学の理学部物理学科、中期で兵庫県立大学の理学部物質科学科に出願して、前期は最低合格点から6点差で惜しくも落ちましたが、兵庫県立大学に合格したのでそちらに進みました」
オンライン授業の日々でも充実して過ごせた
こうして米村さんは3浪で兵庫県立大学に合格し、浪人生活を終えました。
九州大学に惜しくも合格できなかったものの、兵庫県立大学への合格がとても嬉しかった米村さん。
彼に浪人してよかったことを聞くと、「無理に人が決めた道を歩まなくていいんだと思えたこと」、頑張れた理由については、「ディベートで全国大会に行けた成功体験が大きかった」と答えてくれました。
「兵庫県立大学には近くにSPring-8という大型の加速器があり、研究に最適な環境だと思っていたので嬉しかったです。浪人したことで、一般的なルートから大きく外れても、生きていく方法はいくらでもあると気づけましたし、いま成果が上がらなくても目的に向かって動いていればいつかは変われると思えたのが大きかったですね。でも、いちばんは自分の選択を尊重してくれた親の寛大さのおかげだと思います。わがままを聞いてくれて、感謝しています」
とはいえ、進学したのが2020年の4月とちょうどコロナ禍に突入していたため、4月は授業がまったくなく、それ以降もすべてオンライン授業でした。
せっかく入った大学で同級生との接点があまりない生活でしたが、米村さんは「めちゃ楽しかった」と当時を振り返ります。
「キャンパスのある姫路に1年生の最初から住んでいたのですが、自分がやりたいことができるから、とても充実していましたね。オンラインで塾講師をしたり、インカレのディスカッションサークルに参加したり、自分でディスカッションのイベントを開催したりもして、オンラインでできることはやり尽くしました。毎日予定がいっぱいで、自分が望めばやりたいことができる方法はいくらでもある生活に充実感を感じていました」
物理の勉強をしたいと思い入学した兵庫県立大理学部では、ほとんどの授業に出席し、物理の演習授業では毎回立候補をして、率先して受講者に問題の解説をしていた米村さん。卒業所要単位を50個オーバーするくらい単位を取り尽くし、GPA(成績平均値)は3.42を記録しました。
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