表舞台から消えたメグ・ライアンが今していること 女優としては見かけないが映画界には残っている
東洋経済オンライン / 2024年9月3日 11時0分
離婚して不倫相手とも別れる
そんな中でも宣伝活動をしっかりこなしたふたりはプロらしかった。しかし、努力は実らず、6500万ドルの予算をかけたこの映画の世界興収は6200万ドルで、赤字の結果に。アメリカではよく「悪いパブリシティはない」と言われ、ネガティブな話題も宣伝材料になるとされるが、この場合は違った。批評家受けも悪く、Rottentomatoes.comによれば、好意的な批評はわずか39%にとどまった。
ライアンとクロウのロマンスは、それからまもなく終わりを告げた。クロウは母国オーストラリアに住み続けることを願うも、息子がいるライアンはアメリカを離れられず、妥協点が見つからなかったのだ。ライアンとクエイドは、『プルーフ・オブ・ライフ』の公開から数カ月後に離婚。ライアンは、クエイドも過去に不倫をしていたと明かしている。
翌年、ライアンは、ヒュー・ジャックマンと共演する『ニューヨークの恋人』(2001)で得意分野に復帰した。しかし、世界興収は7600万ドルにとどまり、2億ドル超えもあったライアンの過去のロマンチックコメディ映画の成績には遠かった。
ちょうど40歳を迎えたところでもあったライアンは、そこから大きな方向転換を試みる。尊敬される女流監督ジェーン・カンピオンの『イン・ザ・カット』(2003)では、大胆なセックスシーンにも挑戦。2004年の『ファイティングガール』ではボクシングのマネージャーを演じ、これまたイメージ脱却と演技力の証明に賭けた。
しかし、そのどちらもまるでぱっとせず。『イン・ザ・カット』はソニー傘下のスクリーン・ジェムズ、『ファイティングガール』はパラマウントが製作配給したが、以後、ライアンはメジャースタジオの映画に主演していない。
そんなライアンは、近年、監督業に力を入れている。最初の監督作は、2015年の『涙のメッセンジャー 14歳の約束』。2023年は『What Happens Later』が北米で限定公開された。これらの作品も、それ以外の出演作も日本で劇場公開されておらず、日本の映画ファンが最後にビッグスクリーンでライアンを見たのは『ファイティングガール』で、ぴったり20年前だ。
不倫はキャリアに影響しない
これからも監督の予定はあり、自分の監督作に出演もしてきているライアンには、まだまだ映画業界で働く意欲が見える。なのに、なぜ彼女のキャリアは下り坂になってしまったのか。
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