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セリア「大量閉店」報道めぐる反応に覚えた違和感 「円安がすべての元凶」言説は理解が浅すぎる

東洋経済オンライン / 2024年9月4日 8時0分

ところで、私はいつも思うのだが、他社の商売や業績を批判的に論じるひとは、どのような優良企業に勤めているのだろうか。知りたいところである(いや、ほんとうは時間がもったいないので、さほど知りたいとも思わない)。

退店と出店については?

なお退店が多い点はどうだろうか。

セリアは、以前からスクラップ&ビルドをずっと繰り返している。退店がたしかに前年よりも多いとはいえ、退店のほとんどが貸主都合か契約満了、または店舗自体の移転によるものだ。ここを見ても、「100円ショップで、100円だけの商品を販売することが商売として成立していない」といったイメージとは遠い。

また不採算が7店はある。ただ、これは不採算立地からの撤退を早めに決めているだけだろう。とくに2020年からの巣ごもり需要で100円ショップ関連が盛り上がった。その反動があるのでしかたがない。

もちろん、私は同社にリスクがないとはいっていない。現在は小売業において合併や協業が相次いでいる。出店はすべて賃貸の形を取っており、今後、出店物件の減少や取得が困難になる可能性がある。同社は他企業が撤退した跡地に出店しているが、その戦略がこのまま続くかはわからない。

実質賃金がプラスに転じたとはいえ、まだ生活が楽になっている実感は得がたい。まだまだ日本では節約志向が続く。そのタイミングにおいて、まだまだ100円ショップは存在意義があり、さらに少しでも買い物を楽しくしたいニーズがあるだろう。その意味でも、セリアの今後に引き続き注目したい。

坂口 孝則:未来調達研究所

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