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ロールス・ロイス、ユーザー層若返りのロジック 高級SUV「カリナン」から始まるブランド戦略

東洋経済オンライン / 2024年9月7日 9時30分

日本初公開のロールス・ロイス「カリナン・シリーズⅡ」(写真:三木宏章)

ロールス・ロイス・モーター・カーズ(以下、ロールス・ロイス)のSUV「カリナン・シリーズⅡ」が、2024年8月29日に日本で発表された。このモデルの特筆点は、2018年にシリーズⅠが発売されて以来、世界的に販売好調で、ロールス・ロイスのユーザーの平均年齢を、2010年の56歳から43歳へと大きく引き下げたところだ。

【写真で見る】日本初公開となるロールス・ロイスのSUV「カリナン・シリーズⅡ」の全貌。内外装を詳しく確認する

【写真】日本初公開となるロールス・ロイスのSUV「カリナン・シリーズⅡ」の全貌。内外装を詳しく確認する(84枚)

日本でのロールス・ロイスというブランドイメージ

紳士靴のロールス・ロイスやシングルモルトのロールス・ロイスなど、最高級の象徴として例えられるほど、日本でも太平洋戦争前から存在感は大きかった。

よく知られているところでは、麻生太賀吉(麻生太郎の父)が英国で購入して輸入し、戦後、岳父である吉田茂(第45・48・49・50・51代内閣総理大臣)が乗った1937年型「25HP/30HPスポーツサルーン」がある。

しかし、確固たるブランドイメージは、時として弊害化することがある。たとえば、スポーツカーの市場。高級スポーツカーは50歳を過ぎてから乗るものというのが、かつての欧州での“常識”だった。一方でマーケティングに携わっている人間は、ブランドに対して若々しいイメージを求め、また市場拡大を考える。そこで苦労が生まれる。

「日本の市場というのは、伝統的というか、保守的な側面がけっこう強い、というのが私の印象です」

そう話すのは、ロールス・ロイス・モーター・カーズ アジア太平洋リージョナル・ディレクターのアイリーン・ニッケイン(Irene Nikkein)氏だ。東京でカリナン・シリーズⅡのお披露目に立ち会ったニッケイン氏が、日本でのロールス・ロイス事業の在り方について、興味深い洞察を披露してくれた。

過去には、MINIジャパンのブランド・コミュニケーション&プロダクト・マネジメントの責任者を5年間務めるなど、日本市場を知悉しているニッケイン氏は語る。

「車体色にしても、(内装の)素材についても、保守的なもの、安全なものを選ぶという傾向があったし、自分が成功していたとしても、ロールス・ロイスを持つなんて、ちょっと早すぎるって思っている方が多いように感じていました」

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