ロールス・ロイス、ユーザー層若返りのロジック 高級SUV「カリナン」から始まるブランド戦略
東洋経済オンライン / 2024年9月7日 9時30分
ところが、グローバルな市場の傾向は、冒頭で触れたように、ロールス・ロイスについての固定観念も変わり、ユーザーの大幅な若返りに成功したという。
「最も影響力を持っている世代は、いわゆるY世代とZ世代ですね。ロールス・ロイスとしても、できるだけ自分たちのブランドをモダナイズしたいという気持ちがあります。そこで影響力のあるY世代とZ世代にどのように評価してもらうか、それを念頭に置いています。開発するプロジェクトも、コミュニケーションや発信の仕方も、かつてとは違います。若い世代のポテンシャルを信じて、そこに受け入れられるように、そこに気に入っていただけるように、とアクションを起こしています」
ロールス・ロイスも時代に合わせた変革が起こっているのだ。
続けて、「日本市場においても、同様のことを感じる機会が増えてきています」とニッケイン氏。とくに、ビスポーク(内外装の色や素材の特別注文)の車体を見ると、驚くことがあるそうだ。
「日本のお客様によるビスポークのオーダーに、市場の若返りが表れていると思います。非常に大胆なカラーをオーダーされる方が、日本ではとても増えています。グッドウッド(英国ウエスト・サセックス州)の本社に隣接した生産ラインを訪れると、ものすごく大胆なカラーの車体を見かけることがあります。“これ、どこからのオーダー?”と聞くと、“日本ですよ”ということが少なくないんです」。日本市場の変化を実感しているそうだ。
同時に本国で発表された、より高性能な「ブラックバッジ・カリナン・シリーズⅡ」も、若々しいテイストを持つ層からおおいに歓迎されているという。
カリナンからロールス・ロイスが変わったと聞いて、筆者が思い起こすのは、カリナン・シリーズⅠだ。米ワイオミング州の高級リゾート、ジャクスンホールを舞台にした、ジャーナリスト向け試乗会に参加したとき、ユニークなバッスルスタイルを持つ、このSUVのデザインテーマについて、担当デザイナーにインタビューを行った。
「審美性というより、独自性の高いデザインですよね」と筆者が感想を告げると、「それが狙いです」との答えが返ってきた。一目でロールス・ロイスとわかること。それがもっとも重要なテーマなのです、と歳若き英国人デザイナーは言った。
新たに登場したカリナン・シリーズⅡ
実際に、カリナン・シリーズⅡも、独特といえば独特のフロントマスクで、これに較べるとシリーズⅠはかなりオーソドックスなロールス・ロイス顔をしていると思えるほど。シリーズⅡは、それでも、新しいし、見ていると購買欲をかき立てるカタチといえる。
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