相川七瀬「私が長いトンネルを抜け出たきっかけ」 「あらゆる面で自分の未来を見失っていた」
東洋経済オンライン / 2024年9月8日 13時20分
みんながキャリアを高める中で、私だけ取り残されていくような気がして。自分で選択したことなのに、社会と自分との関係性が絶たれてしまうような感覚もあって悶々としていました。
――子育てによってキャリアの転換をした女性の多くが抱く葛藤です。
20代後半は、このまま仕事を続けていくべきなのか、もう辞めた方がいいのか悩み続けていました。現場でも、「相川さんはもう終わりだよね」と悪気ない口調で、言われたこともありました。
――今や不適切な冗談ですね。
仕事とプライベートの両立に対する葛藤だけでなく、自分の音楽性についてもここから10年、出口の見えないトンネルの中に入りました。プロデューサーの織田さんの元を離れてからは、自分たちであのレベルの楽曲に到達できるわけもなくて。あらゆる面で、自分の未来を見失っていました。歌はずっと好きだし続けていたけれど、もう完全に辞めた方がいいのかなと、35歳くらいまではもがき続けた感覚がありました。
40代になって全てが欲しいと初めて思った
――トンネルを抜けたきっかけは?
東日本大震災です。「自分は何のために歌うのか?」という大きな問いかけが自分の中に生まれました。被災地に入るたびに、また「私はどうして生かされているのか?」といった自問自答を繰り返しました。そして、被災地と繋がりを持たせてもらう時間の中で、私は「もう過去の自分を生きるのではなく、今の私を生きていくんだ」と心から納得しました。
織田さんが作ってくれたような曲を真似して作ることなんてできない。だから、自分が心から今歌いたいと思うメッセージがロックじゃなくても歌えばいいんだと、初めて自分一人で作っていくこれからの音楽を肯定できました。
それは過去から解放された瞬間でした。私は楽しい時だけではなく、悲しい時や辛い時にも寄り添える歌も歌いたいのだと思って、震災後に初めて作ったのが『ことのは』という曲でした。
――新たな決意と覚悟ですね。
歌手として本気でリスタートしようと思ったし、キャリアについての悩みや、母親である自分もありのまま受け入れて、最大限やれるだけのことをやろうとも決意しました。その軸をぶらさずに、使える時間やエネルギーを音楽に余すことなく使えばいいと思いました。すると、すごく楽になったんです。
――人生のプライオリティが明確になった?
あの時、やっと本当の意味で自分として生きていけるようになったし、一方では、等身大の自分として音楽に向き合えるようになりました。
この記事に関連するニュース
-
相川七瀬「40代で見つけたロック以外の新しい軸」 「大学と家庭の両立」葛藤を超えて掴んだもの
東洋経済オンライン / 2024年9月8日 13時10分
-
ぴいぴる 歌手・当山ひとみ 歌い続けてきた今だから伝えられるソウル オリジナルにこだわり…進化し続けるのが〝ペニー〟の存在意義
zakzak by夕刊フジ / 2024年9月6日 11時0分
-
相川七瀬、全国ツアー完走 織田哲郎がギタリストとして参加するツアー開催も発表
日テレNEWS NNN / 2024年9月2日 21時50分
-
桑田佳祐も立川談志さんも“芸を盗んだ”三大話芸『浪曲』の魅力を語る浪曲師の“浪花節”半生
週刊女性PRIME / 2024年8月30日 15時0分
-
ぺろぺろきゃんでーが語る、兄妹の生き様「誰かにとっての居場所を作りたい」
Rolling Stone Japan / 2024年8月21日 18時0分
ランキング
-
1痩せたい人が食後に摂るべき飲み物4つ
つやプラ / 2024年9月8日 12時0分
-
2【海外発!Breaking News】サーカス公演中、体重200キロ超のクマが調教師を襲撃 観客席から悲鳴(露)<動画あり>
TechinsightJapan / 2024年9月8日 10時38分
-
3ずっと後悔しています…「老人ホーム」を嫌がる〈年金15万円・79歳母〉を無理やり入居。47歳ひとり娘、涙が止まらない
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月8日 5時15分
-
4介護事業者の倒産急増 〈胸を触る〉〈キスを要求〉…職員の2割がハラスメント被害で人材流出
日刊ゲンダイDIGITAL / 2024年9月8日 9時26分
-
5「首の痛みを甘く見ないで」千鳥ノブも経験、放置すると危険な首こり!合言葉は「FAST」
週刊女性PRIME / 2024年9月8日 6時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください