「定年後の再就職」知らないと損する3つの給付金 「雇用保険」に加入するハードルも下がっている
東洋経済オンライン / 2024年9月8日 18時0分
定年後も会社で働く際のメリットになるのが、雇用保険です。加入要件は次のようになります。
●1週間の所定労働時間が20時間以上であること
●雇用見込みが31日以上であること
上記の要件を満たし、雇用保険の適用事業者で働く人(パート・アルバイトも含む)が加入できます。20時間といえば、およそ週3日程度ですね。私が「週3ワーク」を推奨する理由の1つがこれです。
雇用保険に加入するメリットは、給付金が受け取れることです。もしも、あなたが60歳を迎えて、働き続けようかどうか迷っているとすれば、理由のひとつは、雇用形態が変わることによる収入減でしょう。
多くの場合、再雇用や嘱託契約になると、それまでの給与から3~4割減るといいます。同じ仕事を続けるのに給与が下がれば、誰でもモチベーションが下がります。
働きたいけど、働く意欲がわかない。そんな人たちを応援する制度が、少なくなる給与を補填してくれる「高年齢雇用継続給付金」です。
給付金ですから、該当する人は、申請すれば誰でももらえます。しかも、非課税です。60~65歳限定の給付金ですが、その間は、給与以外に、税金がかからないお金を国からもらえるということです。
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給付金をもらえる人は、60歳以降の賃金が、60歳時点の賃金と比べて、75%未満になった人たちです。例えば、60歳時点で月給48万円もらっていた人が、60歳以降の賃金が月給36万円未満になったらもらえるということです。定年後も働いている人たちの話を聞くと、75%未満という条件を満たす人はかなりの割合でいるようです。
もらえるお金は、賃金の低下率によって決まります。具体的には、60歳時点の賃金より61%以下にまで落ち込んだ場合は、賃金の15%を補助。61%超~75%未満の場合は、賃金の15%以下の給付金が支払われます。
60歳到達時の賃金月額が48万円で、60歳以降の賃金が29万円だったとします。低下率60%ですから、支給率は給与の15%になります。もらえるお金は、29万円×15%で4万3500円。
65歳までの5年間満額でもらうと、総額261万円です。1年あたり52万2000円のプラスですから、大きなサポートです。
会社の労務・総務担当者が把握していない制度も
この給付金をきっちりいただくには、60歳の時点で必ずしておかなければならないことがあります。それは、会社を通じてハローワークに60歳時点の月額賃金を登録しておくこと。
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