1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

「365日全国泊まり歩く」彼が浪人で得た価値観 浪人時代の祖母との生活が受験勉強を支えた

東洋経済オンライン / 2024年9月8日 8時0分

「当時、大学は行って当たり前のものだと考えていたので、当然経験しなきゃいけない通過儀礼だと思っていました。親には申し訳ないのですが、1年勉強させてくれと頭を下げて、浪人をさせてもらいましたね」

そんな石田さんに落ちた理由について尋ねたところ、「勉強をしていないこと」がすべてだったと振り返ります。

「受験が近づいてきたとき、僕はサッカーゲームの『ウイニングイレブン』にはまっていて、勉強よりもゲームをやっていた時間のほうが長かったのです。受験の前日も『ウイイレ』をやっていて、それでも受かると思っていました。今までと同じ環境にいるとまたゲームをしてしまうと思い、千葉の田舎のほうに住んでいる祖母の家に、参考書だけ持って住ませてもらいました」

「娯楽もないし、勉強に集中できると思った」と語る石田さんにとって、この生活はとてもよかったそうで、「1日のリズムが固定された」と振り返ります。

千葉の田舎での生活は、朝起きてから少し勉強し、祖母と昼ごはんを一緒に食べて、夕方くらいまで勉強。それ以外の時間は適当に散歩したり、スーパーに行ってご飯を作って食べる、といった健康的な日々を過ごしました。

「1日の勉強時間は6時間くらいですね。勉強漬けとまでは言えませんが、浪人する以前よりははるかにしていたと思います。これまでの勉強のおさらいをするわけだし、1年あるから狙えるだろうと考えて志望校を5教科7科目が必要な千葉大の文系にしました。

秋からは勉強の質と量を高めるため駿台津田沼校に通いました。そこでもずっと朝から集中して勉強できたのは、浪人生活前半のリズム構築が大きいと思います」

千葉大学に受かると思っていたが…

秋から一気に受験モードに入った石田さんは、模試でも千葉大のC~B判定を記録します。順調に勉強を続けた結果、センター試験も7割とまずまずの成績を記録。自信を持ってB判定が出た千葉大学教育学部を受験しました。

しかし、結果はまさかの不合格。受かると思っていた石田さんは焦りました。

「小論文は少し出題意図が理解できず、焦った記憶があるのですが、それ以外は特に失敗した感じはありませんでした。だから、実際に落ちたと知ったときはびっくりしましたし、とても悔しくて湯船でボロボロと泣いてしまいました。

現役のときは何も悔しくなかったので、自分なりに頑張って結果が出なかったのはつらかったですね。後期は一応出願していましたが、受かると思って滑り止めの私立は出していなかったので焦りました」

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

複数ページをまたぐ記事です

記事の最終ページでミッション達成してください