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大量閉店「ヴィレヴァン」経営が犯した最大の失敗 山ほどある判断ミス、一番まずかったのはこれだ

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 10時0分

不調が続く「遊べる本屋」ヴィレヴァン。その凋落からは、ビジネスパーソンが学べることはとても多い(筆者撮影)

筆者はチェーンストア研究家を名乗っていて、仕事上、マーケティングやビジネスに関する本を読むことが多い。

【画像6枚】赤字が続き、店舗数も減り続けているヴィレヴァンの、なかなか悲惨な現状

よく実務家から言われるのが、「結局、本は理論にすぎないよね、実践は現場でしかわからないですよ」という声。確かにそれも一理ある。しかし、書籍もあなどれない。うまくいっているチェーンほど、理論的にも「正しい」と言える経営をしていることが多いからだ。逆も然り。うまくいっていないチェーンは、理論から逸脱している場合が多い。

そう考えたときふと思い浮かぶのが、「遊べる本屋」としておなじみのヴィレッジヴァンガードのことだ。マーケティング理論に照らし合わせて、「ヴィレヴァン」は何を失敗してしまったのか。

【画像6枚】赤字が続き、店舗数も減り続けているヴィレヴァン

右肩下がりで大赤字のヴィレヴァン

筆者は今年、ヴィレヴァンについて多くの記事を書いている。その業績不振が顕著になってきたからだ。2024年5月期の決算をみると、売上高は約247.9億円で、前期の約252.8億円から約2%の減少。営業利益は9.15億円の赤字で、11.4億円もの最終赤字となっている。

不調は、店舗数にも現れている。一時期、ヴィレヴァンは全国に400店舗ほどを展開するまでになった。しかし、現在ではそこから100店舗ほどが閉鎖。2024年5月期こそ、店舗数は純増1となったが、それ以前の3年間はそれぞれ9、16、11店舗の減少。

このまま赤字が続けば、スピンオフショップを含めても、300店舗を割り込みそうな状況になっている。

以前、東洋経済オンラインの記事で、筆者は「ヴィレッジヴァンガード全店巡る人」(ヴィレ全)さんにインタビューしたことがある。彼は、ヴィレッジヴァンガード約300店舗すべて巡ることを目指しながら、それぞれの店の特徴や面白いPOPなどをSNSで紹介している。彼が語る不振の原因は、大きく分けて2つ。

(1)ショッピングモールなどへの出店を進めたことによって、「ヴィレヴァンらしさ」が普通のものになってしまった

(2)人材教育が十分にされなかったことで、ヴィレヴァンを支える店員にサブカルの知識が薄く、普通の売り場しか作れなくなってしまった

ここで、マーケティングの観点から見てみよう。ヴィレ全さんが挙げた①ショッピングモールへの出店と、②人材育成の失敗は、やはり、明らかに「失敗だった」と言えそうなのだ。

ヴィレヴァンの「ベネフィット」は?

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