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日本での成功を生んだ、外国名画の「絶妙な邦題」 「ランボー」の原題は直訳すると「最初の血」

東洋経済オンライン / 2024年9月10日 16時0分

あくまで主観になりますが、「原題そのままでもよかったのでは?」と思う作品も多々あるものです。

「内容が伝わらないタイトルはヒットしない」と話す識者もいますが、「ジョーズ」(1975)、「E.T. 」(1982)、「グレムリン」(1984)、「ゼイリブ」(1988)など、タイトルだけ聞いても内容がまったくわからない映画でもヒットしているものはあります。

日本語のタイトルやサブタイトルを使って映画ファンに作品イメージを伝えたい気持ちはわかりますが(潤沢な広告費が捻出できない作品にありがちです)、邦題をつけることですべてが目論見通りに進むわけではありません。オリジナルのタイトルと独自の邦題をつけるかは是々非々で検討してほしいものです。

助監督より「実入り」が少ない監督業の悲哀

映画関係者以外の方にはあまり知られていない話題を、もうひとつ紹介しましょう。

「日本で活躍している映画監督と助監督、どちらが収入が多いかわかりますか?」

ある映画監督との酒席でこう聞かれました。その方は数々の著名な映画監督のもとで長年、助監督を経験した後、初めて監督として映画を撮ったばかりでした。「誰もが名前を知っているような国内トップクラスの有名監督は別だ」と前置きした上で、「助監督をやっていた頃のほうが間違いなく年収がいい」といいます。

監督より助監督の報酬が高い? そんなことがあるのかと思って話を聞いていくと、「いや、さすがにギャランティは監督のほうが貰えますよ」と笑います。

「監督のほうがギャラが高いのに助監督のほうが年収がいい」の真意はこうです。

監督が、企画段階から制作に集中して取り組むと多忙を極める。邦画界の現状として、スタッフをたくさん確保することはできないので、監督自ら行う仕事も多い。この状況を続けている期間の収入は、1本の映画監督としての報酬しかない。

一方、助監督の仕事は、撮影直前から参加する場合もあれば、現場を掛け持ちする場合もある。だから、実収入だと助監督時代のほうが明らかに年収がいいですよ、と知り合いの監督はいうのです。

日本の映画監督の作品1本の報酬は、制作費にもよりますが、平均すると300万〜500万円といわれています。企画段階からさまざまな工程を経て作品が完成するまで数年かかりますから、年収で換算すると厳しい数字になります。

そのため、ミュージシャンのMV(ミュージックビデオ)や企業コマーシャルを撮影したり、教育機関で演劇や映像を教える講師業(ワークショップ)をしたり、雑誌コラムの原稿を執筆する文筆業などで生計を立てている映画監督は少なくありません。

そもそも邦画は制作費が低く抑えられている

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